もはや養成所は習い事感覚?安達祐実から芦田愛菜まで、平成の子供タレント事情を整理してみた!

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タレメREPORT2015年4月11日11:05 AM

近年、大女優顔負けの実力派子どもタレントが増えています。計算された動きではないその自然な演技はドラマに更なる奥深さを出しているといえます。まだまだ不景気は続いていますが、子どもタレントとしてスクールに通う子どもたちの数は1万人を超えたといいます。なぜこんなに増えたのでしょうか?現在の子供タレント事情について、年代別に調べてみました。

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平成子どもタレントブームの先駆け、安達世代

1981年生まれの安達祐実さんは東京児童劇団出身。CMから話題となり、ドラマでの主人公の娘役などから演技力を買われ、『家なき子』で主役を演じたことでスターダムへと駆け上がりました。この頃の子どもタレント事務所は、年会費などだけでレッスン料が発生することは少なく、チャンスが欲しい人はだれでも気軽に事務所のオーディションを受け、(現在よりはるかに合格率は低いものの)合格すれば子どもタレントになることができました。

安達さんの人気から子どもタレントブームに火が付き、山崎裕太さん、梨園の妻となった前田愛さんなどが出演した『あっぱれさんま大先生』、生田斗真さんやウエンツ瑛士さん、大沢あかねさんなどを輩出した『天才てれびくん』、平井理央さん、酒井彩名さん、ベッキーさんなどの『おはスタ』や、年少のジャニーズJr.出演の『愛LOVEジュニア』などなど、子どもタレントが主役のバラエティ番組も多く製作されました。

安達さんと同世代の、滝沢秀明さん、今井翼さん、元ジャニーズの川野直輝さん、「チャイドル」として人気があった野村佑香さんなどが出演した『学校の怪談』や、「仮面ノリダー」ですでに人気のあった伊藤淳史さん、現在も女優として活躍する末永遥さん、アイドル的な人気だった大村彩子さん、浜丘麻矢さん、バラエティ番組で人気のでた小出由華さんらが出演した『みにくいアヒルの子』など、ドラマの舞台が小学校という作品も多くなり、安達さんの人気に引っ張られるように、アイドルの低年齢化も急速に早まりました。

タレント事務所でしっかりレッスン。息の長さが特徴の井上世代

安達さん世代の子どもタレントが「アイドル」的な人気だったのに対して、1987年生まれの井上真央さん世代は圧倒的に「実力派の役者」といったイメージが強い俳優が多いのが特徴です。

生稲晃子さん主演の昼ドラ『キッズウォー』で子役として出演していた井上真央さんが話題となり、パート2では「W主演」それ以降は「単独主演」になってしまうほどの人気となりました。安達さん世代が、安達さんをはじめとして、さまざまな子どもタレントがブレイクしたのに反し、井上さん世代は、比較的「子どもタレントに強い事務所」所属の方が目立ちます。『キッズウォー』に出演していた崎本大海さん・浅利陽介さんともに、井上さんと同じ劇団東俳出身です。レッスン料や自費の自主公演などもあるので経費はかかりますが、レッスン内容はしっかりとしていて、役者としてきちんとした実力を身につけられる事が特徴です。

井上真央さん世代はあまりまとめ売りをしていません。戸田恵梨香さんや、三倉茉奈さん佳奈さん、谷村美月さんなど、関西系劇団のジュニア女性タレントたちは、関西系列の朝ドラで人気となりCMなどに出演。それぞれが話題になり現在も活動しています。CMなどで注目を浴び、『女王の教室』で大ブレイクした志田未来さんはセントラル子供タレントですし、やはりレッスンのしっかりしたスクール出身者が目立ちます。

また、男性子どもタレントも、神木隆之介さん、浅利陽介さん、崎本大海さん、『ラストサムライ』で名演技を見せた池松壮亮さん、特撮俳優としても人気の徳山秀典さんなど、スクール出身者が大河ドラマで子役をつとめ、そのまま現在も活躍しています。「大河ドラマクラス」など、大河ドラマに出ることを目的としたコースのあるスクールもあり、事務所がしっかり未来の大俳優を育てているといえます。大河といえば、『天地人』で大ブレイクした加藤清史郎くんも劇団ひまわり出身です。もう中学生の彼も0歳からレッスンを積んで、1歳でデビューしていますが、まだまだ活躍しそうですね。

習い事の一環として、芸術としてのタレント活動

『Mother』での好演で日本中の話題をさらった2004年生まれの芦田愛菜さんや、『崖の上のポニョ』で人気を博した1999年生まれの大橋のぞみさん、ともに子どもタレントスクール出身です。この世代では祖母のエキストラ出演の際にスカウトされたという濱田龍臣さんなどもいるのですが、やはりほとんどがスクール出身です。

芦田さんは兵庫から東京までレッスンに通ったといいますし、『家政婦のミタ』で人気に火がついた本田望結さんなども京都から仕事に通うなど、交通費がかさみ、子どもタレントをやるにも元手が必要になってきています。

しかし、実はレッスン料は学習塾程度のところが多く内容もしっかりしているので、たとえタレントとして成功しなくても「礼儀」「表現力」「歌」「ダンス」など様々なことが身につきます。そのため、「将来はビッグな役者に」という大きな目標だけではなく、「経験させてみたい」という少しライトな気持ちで参加させる親御さんも多いようです。実際、大橋のぞみさんも活動は小学生までと決めていたため、スパッと芸能界を引退しています。

テアトル所属の鈴木福くん、ちゃん兄妹なども、尺八や琴の奏者のおうちに生まれていますので、芸能についてレッスンを受けるのも楽器を習うのと同じように自然のことだったのかもしれません。

少子化の影響で、子どもや赤ちゃんに関する消費が増え、子ども関係のメディアが大変増えました。その流れで赤ちゃん雑誌の読者モデルや「キッズ時計」など、気軽にモデルに応募できる環境ができている事なども、子どもタレントスクールの登録人数が上がった要因のようです。結果的に、「可愛いだけ」ではない演技力のある子どもタレントが増え、ドラマや映画作品のクオリティを上げてくれていますので、我々のような作品を楽しむ側の視聴者にとっては喜ばしい限りですね。

文/藤原ゆうこ

 

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