時代で比べるドラマの名告白(セリフ)!世代で告白内容・シチュエーションに変化あり!?

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タレメREPORT2015年4月23日4:55 PM

2015年を代表する恋愛映画となりそうな、豊川悦司さんと榮倉奈々さん主演『娚の一生』。豊川さん演じる52歳大学教授のまっすぐなアプローチが話題ですね。「恋なので仕方ありませんでした」「好きになってしもうた」と、情熱的な言葉を淡々と語る姿。大人っぽさの中に恋愛に対する不器用さや初々しさを感じることもでき、まさに一粒で二度おいしい、今年を代表する名告白になりそうです。

「あえて言わない」溜めキュンから「言わずに行動」の男らしさ

恋愛結婚よりもお見合い結婚が主流だった1960年代までの恋愛ドラマといえば、「ガラス越しのキス」「山にむかって叫ぶ」など、とにかくさわやかな恋愛が特徴です。比喩などはなく、純情なため、照れてしまって直接言うことができない・・・というキュンキュン系ばかりです。

そして70年代後半から80年代のラブストーリーは、一転して老若男女、言葉よりも行動。『毎度おさわがせします』の中山美穂さん演じるのどかは、思いを寄せる徹のベッドに裸でもぐりこみ告白よりも“実績”を優先します。映画『探偵物語』で、薬師丸ひろ子さんと松田優作さんの別れのシーン。言葉などなくとも通じ合う、熱烈なキスは今も語り継がれる名シーンですね。

80年代は情熱的なドラマが常に多く、言葉が多すぎて(セリフが長すぎて)不思議なものも・・・。名作『スチュワーデス物語』では「松本千秋、ジャンボで世界の空を飛びまくります。精一杯飛んで、飛んで、飛んで、そして・・・思い切って教官の胸の中へ飛び込んでもいいでしょうか!」という謎の告白。どう考えても非現実的ですが、実際の告白シーンやプロポーズでも同じような比喩告白が流行ったようです。ブームって恐ろしいです・・・。

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「告白はしない」「出来るだけ軽く」なトレンディドラマ

情熱的な恋愛イメージの強いトレンディドラマですが、意外にも「口説く」シーンは非常に多いのですが、「愛の告白」シーンは少なめです。「告白」「真面目」「純粋」「純情」はどうやらトレンディではないようです。異性経験が少ないこともトレンディではないようで、「遊び人」がモテるのが特徴。女性の権利が向上し始めたことからも受け身ではなくなった女性からのアプローチも良く見られます。

『東京ラブストーリー』でのリカとカンチの掛け合いなどが代表ですね。「loveじゃなくてlikeでいいから好きっていって」「好きだ」「ねえ、セックスしよう!」と例のセリフです。リカのカンチへの思いは純粋ですが、「東京の女の子は~一晩で忘れる」「お前は重い」とカンチの友人から酷評されています。しかし、視聴者からはリカは人気で、ライバルのさとみを演じた有森也実さんには脅迫状が届くほどだったそうです。現在ならむしろリカの奔放ながらも純粋な思いはドラマ内の男性にも好評価なのではないでしょうか?

『あすなろ白書』でも、一見真面目なのに彼女がいても合コンにいってしまう掛居くんはドラマ内でモテモテです。主人公なるみも彼を忘れられませんでしたね。しかし視聴者には、軽くてお調子者風にも関わらず、本当は一途な取手くんが人気でした。木村拓哉さん演じた取手くんの、バックハグでの「俺じゃダメか?」は世の女性たちをキュンキュンさせたものです。後年の『花ざかりの君たちへ~イケメンパラダイス』での生田斗真さんのバックハグでの「俺にしとけよ」も破壊力抜群でした。片思い男子なら一度は言ってみたいセリフなのではないでしょうか?(というより片思い女子が一度は言われたいセリフですね)

木村拓哉さん全盛期

その後はしばらく木村さん全盛期です。一転して純愛路線で行動的。『ロングバケーション』でも、自分の気持ちに気が付いたらとにかく突っ走る!「南!」「瀬名!」「南ー!」「瀬名ー!」とお互いの名前を呼び続けるだけで、心を通わせるシーンは今見ても色あせません。『ビューティフルライフ』の「ごめん、俺あんたが好きだわ、杏子じゃないとだめだわ」など、木村さんの告白シーンにはすさまじい攻撃力があります。どれも自分に自信がないと言えないセリフ。木村さんならでは、ですね。

どれだけ「好きか!」どれだけ「君を思っているか」を切々と語る!

木村さん主演ドラマ以外では、『101回目のプロポーズ』の「僕は死にません。あなたが好きだから!」が有名ですね。恋人を亡くした女性に「僕は死なない。好きだからずっと一緒にいる」と切々と語る姿が感動を呼びました。そして、これ以降は長セリフが流行りました。

『やまとなでしこ』の、堤真一さん演じる欧介の「僕はもう逃げません。桜子さん、あなたが好きです。たとえ明日あなたの気持ちが変わったとしても」と、それを受けて桜子役の松嶋菜々子さんの「私にはみえるんです。10年後も20年後もあなたのそばには私がいる。残念ながら、あなたといると私は幸せなんです」。反目し合っていたにも関わらずお互いに気持ちを自覚し、素直に気持ちを言い合う。今まで言えなかったことを言い尽くしたいという気持ちがとても良く伝わります。

『世界の中心で、愛を叫ぶ』の「亜紀、なんといっていいか思いつかず。とにかく今の気持ちを告白します。亜紀といると楽しいし、亜紀といるとすぐに時間がたってしまう。いまさらですが、僕と付き合ってください」と、ひたすらに不器用な告白も素敵でした。どのセリフも「うまいことは言えないけど、とにかく全部伝えたい」という純粋な気持ちが伝わりますね。

『プロポーズ大作戦』の主人公、山下智久さん演じる健が幼馴染の礼に長々と、どう好きだったのか、どうして告白しなかったのか、どう悔んだのか、を結婚式のスピーチで告白するところも伝説のシーンとなっています。この作品、健の心の内が細かく書かれていて、視聴者が同調しやすかったためか、「本当に好きで本当に大切」という気持ちが視聴者に伝わり、大きな感動を呼びました。

そして、このブームは今でも続いています。『失恋ショコラティエ』では、主人公の爽太が「紗絵子さんに喜んで欲しくてショコラティエになったし、これから先何があってもずっとショコラティエでいるよ。それは俺が紗絵子さんを好きになった証で、これから先、誰を好きになっても絶対残るものなんだ」と、好きになった気持ちが一生ものだということを伝えます。こんな純粋な気持ち、結果はどうあれ言われたらうれしいですよね。

草食系と肉食系、どちらもあふれる気持ちを抑えきれない

『空飛ぶ広報室』の、綾野剛さん演じる空井二尉の告白も素敵でした。恋愛に疎く自分の気持ちに全く気付かなかった草食系男子が、突然自覚し、「2秒くださいっ!」とキスをするシーン。あふれ出る思いが抑えきれなく爆発した瞬間が描かれていて見事でしたね。敬語というのがまた萌えます。

前出の『失恋ショコラティエ』もそうですが、同じ松本潤さんが演じた究極ツンデレ『花より男子』の道明寺の大量告白も「あふれる気持ちを伝える」という点では同じです。「決まってんだろ。好きだからだよ!」と俺様チックではありますが、好きで好きでしょうがない!という純粋な思いが伝わってきます。

「あえて言わない」「一言できめる」「長々と説明する」と、それぞれの時代にそれぞれのブームがありました。現在は『娚の一生』もそうですが、「不器用ながらもあふれ出る思いが我慢できない!」という、純愛ながらも行動は男らしく!が告白のトレンドのようです。不景気だからこそ、男らしく導き、深く愛してくれる男性を女性は求めているのかもしれませんね。

文/藤原ゆうこ

 

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