『悪女(わる)』P語る“課題”

#キャラクター#麻理鈴#Love#江口のりこ#今田美桜

エンタメNEWS2022年6月15日7:00 AM

『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』プロデューサーの諸田景子氏、小田玲奈氏 (C)日本テレビ

 俳優の今田美桜が主演し、きょう15日に最終回を迎える日本テレビ系連続ドラマ『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』(後10:00)。今作をメインで手掛けたのがゴールデン・プライム帯の連ドラを始めて担当する諸田景子P(プロデューサー)、そして、サブとして『家売るオンナ』シリーズなどで知られる小田玲奈Pが、支えている。諸田Pの企画を聞いた当初は「なんで今…?」と疑問だったという小田P。2人は、新人とベテランのワーキングマザーだが、経験も立場も違う2人の女性プロデューサーが令和版『悪女(わる)』に込めた思いを語る。

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 今作は1997年まで『BE・LOVE』(講談社)で連載されていた深見じゅん氏原作の大人気コミックが、30年の時を経て、再びドラマ化。やる気と根性は人一倍、けれどマイペースすぎて組織からはみ出しがちな田中麻理鈴(今田)が、会社の最下層から駆け上がっていく出世エンターテインメント。原作をベースとしながらも“コロナ年入社”“男女格差”“仕事のやりがい”“ワーキングマザー”など、現代の社会問題を数多く取り入れている。

■「根本から変えていかないと」30年前と変わらない現状に危機感

――この企画は諸田さんが3年前、原作を読んで企画書を立ち上げたとお聞きしました。一度平成にドラマ化された30年前の原作のどういったところに引かれたのでしょうか。

諸田「『結婚したら仕事を辞めないといけない』みたいなことが描かれていて、今もそういうようなこと話を聞いたりすると、も変わっていないことがショックでした。30年前、私はなにも知らない赤ん坊だったけれど、今も女性の管理職や役員の比率が少ないと聞くと、その時に言われていた問題から何も進歩していないんだな、と。30年経って、私含め、当たり前のように女の人が働けるっていう状況になったけど、根底は、何も変わってないかもしれないことへの問題提起、そして麻理鈴は、古い漫画のキャラクターだけれども、今の世でも元気を与えてくれる人だなと感じ、今もできる、やりたいと思ったきっかけでした」

――小田さんははじめ、この企画を聞いたときにどのような印象を抱かれたのでしょうか。

小田「私は3歳の子供がいながらもやりがいを感じることができる状態で働けているので、『なんで今、このドラマをやる必要があるの?』って思いました(笑)だけど、制作するうちに、もちろん私は今もみなさんに助けてもらって『働かせてもらってる』と思いながらも、だんだん『当然だよな』みたいな気持ちになってきて(笑)。どの会社を取材しても『うちの会社は男尊女卑みたいな発言をする人も減ってるし、ジェンダー研修もしてる』っておっしゃるのですが、じゃあ『女性管理職って どんな割合ですか』って言うと、みんな口ごもるというか。しかも、女性に上昇志向があるかっていうと、そういうことでもない。

『もう女性はちゃんと社会進出してるじゃん』と思っていたけど、本当に追求して考えていくと、進んでないんじゃないか。今や、あからさまに男女差別発言する人は減ってるけど、ちゃんと家に帰って、子育てを妻と同じようにはやってるか?と言えば、本当にやってんるの?という感じもするし(笑)働くママたちが遠慮していたりする。なにか根本から変えていかないと、おかしなことが起きるかもしれないという危機感を感じるようになりました」

■自分たちの身の回りでも感じていた“はがゆさ”「余計な悩みが多い」

――テレビ局というのは正直、男社会のイメージがありますが、やはり現場は変化していないと感じられますか。

小田「制作の現場で技術スタッフとかも女性が増えたなと感じます。ですが、男社会かな。やっぱり上層部は、みんな男性。この企画をプレゼンした時も、 この企画の許可を出すポジションの9割が男性。いろいろな現場で芸能事務所の人とかと話しても、優秀な女性だと思って雇いたくても、子供ができて辞めちゃう人がたくさんいて後々困るから、そういうことも考えて男性を選ぶこともあると聞いて。でも、それは、おかしいじゃないですか。なんで子供ができたら、辞めるのが女じゃなきゃいけないんだろう。このドラマやっていて、家父長制っていうんですか。男の人が稼いで家を守る、という考え方が、共働きの社会になっても、DNAレベルに染み込んでると感じる。すごく、気付きが多かったです」

――そんな小田さん自身はどのように家庭と仕事を両立させているのでしょうか。

小田「例えば、現場はいつも午後9時とかまで撮影していますが、私は午後6時になったらお迎えがあるので帰ります。朝、子供が寝てる時間に早く起きて、その時間にいろんなことをやったり。リモートワークも進んだから、帰宅後に子供にご飯を作った後でも、ちょっと話さなきゃいけないこととかあったら、ちょっと繋いでやりましょうとか。

以前は、朝から晩まで撮影現場にいて、全部見ないと気が済まなかったけど、今は、本当に気になるシーンだけ現場に立ち会うようにしています。それ以外は、監督や他のプロデューサーを信じる。ドラマはみんなで作るものだと、子どもが生まれてから、思えるようになったっていう感じです」

――頼ることができるようになったのですね。

小田「社内ではバラエティーの部署の友達が、子育てのために人事部に異動して、子どもが小学校に入って落ち着いてから、『現場に戻りたい』と思っても、迷惑をかけるのが、怖くて戻れない、みたいな話を聞いて。その人たちに、図太くなっていいんだよ、と言いたいけれど、でも、『ごめんなさい、ごめんなさい』と遠慮していないとうまくいかない現状がある。そこをなんとか。このドラマを使って、変えていきたいなと思いながら、やっていますけど、難しい!(笑)」

――若手プロデューサーである諸田さんは現在の働き方をどう感じてらっしゃいますか。

諸田「私はまだ小田さんのように出産したり、育休を取ったりはないんですが、『余計な悩みが多い』と、ちょっと感じたりはします。例えば、子どもを産むなら、お休みをとったりした方がいいのかもしれないとか、もっとバリバリ働きたいけど、周りの人から『結婚しろ』とかいろいろ言われたりするとか。そういう、ライフプランを立てる上で自分たちに余計な壁や、すごく悩ましいことが男の人よりも多い。でも、そういう事に関してのフォローは、あまり日本の社会にないなと、ドラマ作りを振り返ると感じますね」

■働く女性の悩みと働く男性の悩みは“背中合わせ”「共に解決していかねばならない」

――さまざま取材だったり、“働くこと”を見つめ直したドラマ制作を経て、ドラマで描きたいテーマや扱いたい話題は増えたのではないでしょうか。

小田「ここまでは女の人の生きづらさを描く話が多かったけど、10話は『男性の生きづらさ』の話だったりします。10話を作るときに、精神科医の先生に取材したら、女の人は割と身の周りの人に 悩みや愚痴を常日頃から話してるけど、男の人は話さないから発散できてない、うつ状態になるまで悩んでいることにさえ気づかない男性も多いとおっしゃっていて。近くにいるけど、意外と男性のことを知らなかったんです。

10話の冒頭にT.Oさん(向井理)の『男は悩みを人に話すのが苦手だ』というセリフがあるのですが、男性側の悩みも描かれる。働く女の人の悩みは、働く男の人の悩みと背中合わせ。両方とも意識を変えないと、解決しないんだよって、女の人だけが頑張ろう、乗り越えようではなく、男の人の悩みにも気づき、寄り添って、共に解決していかねばならない…みたいな話です。つまり!ドラマ全10話は全部裏返せば、男性の悩みっていう風にも描けるかもしれない。麻理鈴が解決しなければいけないことは、まだあるのかもしれないですね」

――これまでにさまざまなキャラクターが抱える働くことへの悩みに立ち向かってきた麻理鈴ですが、諸田さん的に思い入れが強いキャラクターやストーリーはありますか。

諸田「私は、3話の梨田さん(石橋静河)のように、周りのお友達でも『働くのはお金のため』と思っているという話を聞くことが結構あって。そういう人たちが観た時、その考えを否定せずに、違うアプローチで『働くって、 楽しいことなのかもしれない』と思ってもらえる話になればいいなと思って作りました。『“今が楽しい”の延長線上に楽しい老後がある』というセリフを脚本家が書いてくださったんですけれども、すごくそのセリフがすてきだな。私も大切にしたいなっていう風に思ってます」

――麻理鈴は、どんな人の働き方も否定しないところが魅力的です。

諸田「私は、絶対に麻理鈴というキャラクターを原作からブレさせないようにしようと、いろんな働き方をする人を否定したりせずに、背中を押してくれる存在であるということを、絶対に守らなければいけないなと、とても意識しました」

小田「一生懸命倒れるほど働くことも、家族のことを最優先することも、お金のために働くことも、どれもこれも、否定するものでもないという感じが、『悪女(わる)』の良さ。みんながちょっとずつ、いろんなことを我慢しながら、違う生き方の人のことも受け入れていく。それはこのドラマを作るスタッフの共通認識としてあったし、意識もしました」

――さまざまな反響があるなかで、印象に残ったされたことはありますか。

小田「悪女を再ドラマ化すると情報解禁した時に『OLがお茶汲みしている時代のドラマをもう1回やる必要あるわけ?』と言われたことです。私もそう思ったから、やっぱりそう思いますよね…っていう(笑)。それを最終回に向け、どれだけ、やる意味があったと思わせることができるか。まだ最後まで諦めたくない。ちょっとでも『やる意味があったドラマだったんだね』と、思ってもらえるような工夫をしたいんです」

――最終話に向け、視聴者へのメッセージをお願いします。

諸田「30年前と、何も変わってなかったのかもしれない。でも、それを変えるヒントだったり、考える一石に、このドラマがなればいいなっていう風に思っています。まだまだ届けたりない。でもこのドラマを放送することで、何かちょっと社会がちょっとだけいい風に変わればいいなって願っていますね」

小田「麻理鈴が最後に出した答えは具体的なアイディアというよりも“1歩を踏み出そう”というメッセージ。じゃあ、自分にとって、その一歩は何か、みなさんが明日会社に行く時に考えていただけたらいいなって思いながら、最終回を作っています」

#江口のりこ#石橋静河#キャラクター#Love#今田美桜

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