テレ東・佐久間宣行氏のモノづくり

NEWS2019年5月17日7:40 AM

佐久間宣行氏/テレビ東京 制作局 CP制作チーム 副参事

『ゴッドタン』や『青春高校3年C組』など先鋭的なバラエティを数多く手がけるテレビ東京の佐久間宣行プロデューサー。今年4月からは『オールナイトニッポン0』(ニッポン放送)で冠番組を持ち、「テレビ番組のモノづくり」を熱く語っている。テレビ局社員の枠を超えて、精力的にエンタメシーンを盛り上げる佐久間氏のプロデュース力に迫る。

■ラジオで語る「モノづくりの裏側」に込めるエンタメへの想い

 テレビ局の現役社員がラジオで冠番組を持つことそのものが珍しいこと。業界内外の注目が集まるなか始まったニッポン放送の『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』で、佐久間氏は「ドリームエンタメラジオ」を宣言。自身が所属するテレビ東京をはじめ、エンタメシーンを横断した話題を提供している。

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 そこにはこんな想いがある。「もともと僕はポップカルチャー好きで、いろいろなエンタメ作品を追いかけて福島から東京にきました。マンガ、音楽、舞台、映画が好きなまま大人になって、今は配信番組も観ます。昨今のような可処分時間の奪い合いのなかで、映像コンテンツがスマホゲームに勝つか負けるかの時期に、メディアの縄張り争いをするより垣根を越えたほうがいいし、純粋に世の中におもしろいものが増えたら楽しい。そのきっかけになればと思ってやっています」。そして、ラジオでは「よく笑うエンタメ好きのおじさんが喋っていると思われ、おもしろがってくれている気がします」とリスナーからの手応えを感じている。

 名物ラジオ番組のパーソナリティへの起用については「テレビ局の社員であることが大きい」としながら、自ら積極的に“表に出る”ことの狙いを語ってくれた。

「僕にしか語れないことは、テレビのモノづくりの裏側。作り手の顔がみえる番組のほうが視聴者から信用されます。同じバラエティでも、紋切り型でどういう人が作っているかわからない番組よりも、制作者の色がある番組のほうがしっかりとファンがつきます。それに、根っこの部分で僕は、番組制作のおもしろさを伝えたい。テレビはもうエキサイティングな業界とは思われていませんが、映像づくりのノウハウを学び、ブッキングの人脈を作る最短の道があります。だから僕はそのおもしろさを喋るのかもしれません」

 そんな佐久間氏がキャリア20年のなかで大事にしているのが「企画書」だ。ラジオでは「企画書はラブレター」というコーナーで、企画を考える楽しさを伝えている。

「20代の頃は、平日は毎日ノートに企画のタネを書き、週末にそこからペライチの企画書に昇格させることを繰り返していました。企画募集があると、たくさん溜まった企画書のなかから1つを決めて必ず出し、それを続けていたら、会社からキャラクターを理解してもらうようになっていきました。組織のなかでそれはとても重要なこと。そうなると、自ずと他部署から声がかかったり、やりたいことができるようになっていきます」

■ゼロイチにすることで改めて気づかされるおもしろさ

『ゴッドタン』の人気企画「キス我慢選手権」もそんな企画書づくりの積み重ねによって生まれ、番組が長年にわたって続く理由にも繋がっている。「運よく早い段階からDVDで爆発的な売上記録を作ることができ、それが視聴率以外の指標になっていきました。だから番組を継続させるために、定期的にDVDになるような企画を年に何本か作って回し、配信とイベントの時代になると、配信と組む企画を考えていくようになりました」と明かす。

 こうした多面的な展開は、現在の担当番組である『青春高校3年C組』にも活かされている。同番組は、放送開始当初からYouTubeやParavi、SHOWROOMで、地上波と同時配信を行うなどメディアの垣根を越えて展開され、今年からステージもスタートした。これらはバラエティ一筋のキャリアのなかで築かれていった戦略の1つなのか。それに対しては「やり方は確立していません」としつつも、「『この企画は何がおもしろくて始めたのか』ということに時々立ち返るようにしています。ゼロイチにすることで改めて気づかされるからです。それが結果、新たな展開のさせ方の基本になっています」。独自に模索してたどり着いたプロデュース法になっているようだ。

 また、キャスティングにおいても、多忙を極めるなか劇場や映画館に足繁く通い続ける、こだわりのスタイルを貫く。それによって『ゴッドタン』初期メンバーである劇団ひとりをはじめ、芸人の三四郎やアイドルの眉村ちあきなど、これまでに数多くの番組発ブレイクを生み出している。

「いまだに3分の2は自腹。20代の頃は完全に趣味の延長線上にありましたが、30代半ば頃からは意識的に行くようになりました。編集が終わった後にオールナイトで映画に行くテレビマンはそう多くない。それが自分のストロングポイントになると気づいたからです」

 さまざまな情報も、SNSなどで探してフォローするエンタメファンの一般人から得るといった具合だ。「それぞれのジャンルに愛がある人がおもしろいと思うものは、僕もおもしろいと思うから、追いかけます。そこで呟かれていたものは、チケットをすぐに買います」。そんなフットワークの軽さについては、「自分の興味のある分野だけです。ゴルフは誘われても絶対に行きません(笑)」とし、自らのエンタメ人生観を語ってくれた。

「テレビ業界はブラックな話ばかり出ますが、これまで20年、辛かったことは一度もありません。現場にいる限り、テレビでもラジオでもどこでも自分がやりたい好きな仕事をたくさんしたい。現場から離れた後は、会社から給料泥棒と言われながら映画を観に行ってしまう自分の姿を想像しています」
(文/長谷川朋子)

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