両親が家庭内別居、趣味を楽しむ母

#楽しむ#当たり前

エンタメNEWS2022年6月5日7:30 AM

『エンドレス離婚~もしも結婚生活をやり直せたなら~』(C)びばる

 理想の夫婦のように見えていた両親だが、実は家庭内別居をしていた。ウェブコミック『エンドレス離婚~もしも結婚生活をやり直せたなら~』で描かれるのは、離婚を突き付けられた「自称・いい夫」の主人公が、過去にループして自らの過ちに向き合う物語。現在は新たな局面に突入し、主人公の両親や、さらには新婚当時にまでさかのぼった夫婦の根深い問題がえぐり出されている。熟年離婚や家庭内別居が増えている今、親世代が現代の夫婦問題に残した“負の遺産”とは何か。作者のびばるさんに話を聞いた。

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■「女は三歩下がってついていく」時代錯誤の凝り固まった価値観

──「母親はこうあるべき」という固定概念を持つ主人公・聡の“無自覚なモラハラ”が、家庭崩壊を招いています。現在描かれているエピソードは、その要因として両親の関係性も関わっているのでは…という内容です。

【びばるさん】聡の家庭崩壊の物語が本作の骨子ですが、聡個人の性格だけに問題を落とし込みたくはなかったんです。彼は心から家族を愛しているし、悪気もありません。だけど、そのバックボーンにある両親の問題、さらには社会の問題が、彼の価値観を凝り固まらせ、ひいては家族を苦しめていたということを描いていきたいと思っています。

──仲が冷え切った両親は、部屋の真ん中に“衝立”を立てて家庭内別居していました。生き生きと趣味を楽しむ母親と、ゴミ部屋でうらぶれている父親という対比が生々しいシーンでした。

【びばるさん】長年、趣味もそこそこに、家庭に押し込められてきた聡の母の復讐ですね。「男は外で働き、妻は家を守るもの」という価値観の中で我慢を強いられ、いろんなことを諦めてきた女性は本当に多かったと思うんです。聡の母のように、夫の酒や女遊びやギャンブルの尻拭いまでしても、「女は三歩下がってついていく」のが当たり前…。昔はDVやモラハラという言葉はなかったけれど、社会問題にされることもないまま苦しみを抱えてきた方の多い世代だと思います。

──ワンオペも当たり前の時代。そんな母親を聡は「家事を楽しそうにしていた」と振り返り、“理想の妻”のイメージとして妻の紀子に押し付けていたんですね。

【びばるさん】一方で自分も、「愛する家庭を守るために仕事に打ち込む」ことを正解として、結果的に自分を追い詰めていました。だけど現代の社会人は、両親世代と比べて圧倒的に時間の余裕がないんです。その原因は社会構造の変化もありますが、夫婦共働きも当たり前になった今、かつてと同じような家庭運営をしようとしたら、歪みが出るのは当然なんですよね。

■職場復帰できず、実家に戻っても“出戻り”あつかい「妻から離婚を切り出すのは難しい」

──今後は、夫婦の新婚当初が描かれるようですね。

【びばるさん】これまでも聡のダメ夫ぶりは描写してきたのですが、読者の中には「なぜ紀子は離婚を切り出す前に話し合わなかったの? 何も言わない“察してちゃん”じゃダメだよ」と思う方もいたみたいなんですね。だけど紀子は、長い結婚生活を通して何度も訴えて、それで諦めてしまったんです。「この人には何を言っても無駄だ」と。

──聡の母親もまた、同じような思いを夫に対して抱いているんですね。

【びばるさん】その境地に至るまでに何があったのか、夫婦の歯車が狂い出した原点を、今後は紀子視点で描いていきたいと考えています。きっと読者は、聡へのさらなる怒りを募らせることになると思いますが(笑)、引き続き読んでいただければうれしいです。また紀子も聡と同世代なので、紀子がどんな親のもとで育ったのかということも描いていきたいと考えています。

──社会の姿も大きく変わった今、親世代の夫婦が抱えていた負の側面をループさせてはいけない、ということを強く感じました。あとはこの夫婦がどのような結末を迎えるのか…。

【びばるさん】昔は女性の自活の道が限られていましたし、また実家に戻れば「出戻り」と蔑まれたので、妻から離婚を切り出すことはなかなかできなかったと思います。それで年金分割の世代に熟年離婚が増えているのは、長年の夫婦生活で溜まりに溜まった我慢の表れだと思うんです。本作は離婚を回避するべく奮闘する男性の物語ですが、女性が自分の人生を生きる上で「離婚」という選択肢を得ることができたのは、決して悪いことではないと思いますね。

──連載が進むごとに読者コメントもヒートアップしている印象です。

【びばるさん】最近は同じ話をとっても、紀子のつらさに共感する読者さんと、聡の成長に共感する読者さんの間で議論になっていることがありますね。ある方が、「紀子がはっきり伝えないのが悪い」と言うと、それに対して「いや、紀子がSOSを出しても頭から否定する聡が悪い」と言う方が現れ、さらに「それでも話し合うべきだ」「いや、話し合える段階は過ぎている」など、どの意見もありがたく読ませていただいています。

──そこまで共感してくれて、嬉しい反応ですね。

【びばるさん】はい。また一方で、やはり妻の紀子と同じような怒りと苦しみを抱えている女性や、聡と同じようにワークライフバランスや家庭でのディスコミュニケーションに苦しむ男性が多いのかも…とも考えてしまいます。結婚して人生をともに過ごしていくなら、お互いの苦しみを分かち合って助け合っていけたらいいですね。でも本当にそれって難しいことですよね。

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