水谷豊監督×町田啓太インタビュー

#チャーミング#クラシック#町田啓太#インタビュー#水谷豊

エンタメNEWS2022年6月5日7:00 AM

映画『太陽とボレロ』(公開中)水谷豊、町田啓太(撮影:吉原朱美) (C)ORICON NewS inc.

■監督の笑い声が聞こえてくると安心します

 エンターテインメントの最前線に長年立ち続けてきた水谷豊が生み出す映画最新作『太陽とボレロ』(6月3日公開)。監督作品第3弾となる本作は、“クラシックのオーケストラ”を題材に、音楽を愛する普通の人々の人間模様を洒脱(しゃだつ)に描いたエンターテインメント作品。水谷監督とアマチュア交響楽団のトランペット奏者・田ノ浦圭介役で出演する町田啓太に話を聞いた。

【動画】吹き替えなしの演奏シーン、メイキング映像

――圭介は、中古車販売店で働きながら交響楽団にも所属し、少しすれたような発言をしながらも、音楽とひたむきに向き合う姿がなんとも憎めないチャーミングなキャラクターですね。起用理由は?

【水谷】30歳前後の俳優さんの映像資料をたくさん拝見して、迷いなく圭介役は町田さんにお願いしたい、と思いました。今、おっしゃってくださった通り、圭介は憎めないチャーミングなキャラクターにしたかったので、町田さんなら必ずそれができる、そういうセンスを持ち合わせていると感じました。

【町田】ありがとうございます。めちゃくちゃうれしいです。

【水谷】実際、撮影現場でいろいろ演じていただきましたが、思った以上でしたね。

【町田】ありがとうございます。水谷さんにそう言っていただけると、もっと頑張るぞ、と気合が入ります。僕もいつか、何かの形でご一緒できたらと思っていたので、本当にうれしいですね。こうして一緒にインタビューさせてもらうこともうれしいです。

――水谷監督の演出は?

【町田】現場で、監督からこうしたら面白いんじゃない、というアイデアをいただくことが何度もあって、自分は真面目に考えすぎていたというか、ちょっと凝り固まった考え方になっていたと気付かされることが多々ありましたし、もっとチャーミングに、コミカルにできるところをたくさん見つけられたはずなのに、それができなかった悔しさを感じることもありました。

 石丸幹二さんと檀れいさんの後をこっそりついていくシーンで、ただ気づかれないようにそっと歩いても成立しますが、毛ばたきを手に持って、抜き足差し足忍び足をちょっとリズミカルにやってみたり。上司にお説教されてる時の聞いてるようで聞いてない感じの出し方だったり。現場でこれちょっとやってみようか、というノリでいろいろチャレンジさせてもらえたのはありがたかったです。それを見て周りの共演者の方たちが笑ってくれるとどんどん面白くなっていって、圭介というキャラクターをすごく豊かにすることができたと思います。

【水谷】僕も町田さんを見ているうちにどんどんいろんなアイデアが湧いてきたんですね。彼の持ってる何かがあるんですよ。現場で圭介をどんどん面白くしてくれました。僕の笑い声が入ってしまってNG、リテイクになったこともあって、役者さんには申し訳ないことをしましたね(笑)。

【町田】でも、現場で監督の笑い声が聞こえてくると安心します。いまので良かったんだ、って。できればもっと笑ってほしい、と思っていたくらいです。正解が何かなんてわからないし、やってみて、監督に「それは違う」と言われたらやめればいいだけ。他の現場でも、もっと頭を柔らかくして、いろいろやってみようと思いました。

――演奏シーンもすごく迫力があって印象的でしたが、実際にトランペットの演奏に挑戦していかがでしたか?

【町田】これは本当に試練でしたね。簡単に吹けるようになるものでもないですし、でもこの物語と音楽の素晴らしさを観客に伝えるには、リアルに演奏することにこだわりたいという監督の気持ちもわかる。なんだかんだ言って音楽が大好きで、トランペットを演奏するのが大好きな圭介の気持ちを自分のものにするためにも練習を頑張りました。演奏指導の先生には本当にお世話になりました。演奏シーンの撮影はすごく気持ちも入って、楽しかったです。

【水谷】ある意味ラッキーだったのは、コロナ禍の影響で、撮影が1年延びたんです。その分、練習できて良かったんじゃないかと思います。僕自身、指揮者の藤堂役で出演もしているので、指揮の練習をしていたのでそう思いました。

■まるで水谷監督のような映画!?

――映画監督は夢だったんですか?

【水谷】そうですね。夢でしたね。昔、丹波哲郎さんから「映画に出るのはいいけど、自分で映画を作ろうとするととんでもない目に遭う」と言われたことあったんですよ。(丹波さんのものまねをしながら)「映画を作るのだけはやめた方がいい」って。だから、映画を作りたいなんて考えないようにしていたんですけど、考えないようにしている時点で自分は映画を作りたいんだな、って思っていましたね。

【町田】素晴らしいですね。僕は周りから「とんでもない目に遭うからやめた方がいい」と言われたら、納得してあきらめてしまうかもしれないです。それよりもこれをやりたいんだ、これを作りたいんだ、という気持ちを持ち続けて、本当に実現しているところが本当にすごいことだと思います。誰にでもできることではない気がします。

【水谷】いやいや、俳優として現場に入っている時は、いろんな責任を背負わされて、いろんな決断を求められて、監督って大変な仕事だな、って思うんですよ。でも、監督をやってみると、俳優って大変だなと思うんですよ。監督が「吹替なしでいきたい」と言ったら、俳優たちは楽器の練習をしなくちゃいけない。せりふも覚えないといけない。監督がイメージした映像を、キャストとスタッフが一生懸命作り出そうとしてくれている。それを現場で見ているだけでも至福の時間です。

――初監督作となる『TAP-THE LAST SHOW-』(2017年)では若者の青春群像とショービジネスの光と影を、脚本も手掛けた監督第2作『轢き逃げ 最高の最悪な日』(19年)では不幸な事故があらわにする人間の心の奥底を描きました。3作目でクラシック音楽を題材に選ばれたのはどういう経緯があったのでしょうか?

【水谷】60代のうちにできたらオリジナルの映画を3本撮りたい、と思っていたんですね。一方で、たぶん無理だろう、とも思っていたんです。1作目は、長年やりたかったこと全部、自分の思いの丈(たけ)を詰め込んで作ったんです。2作目はプロデューサーからサスペンスをやってみないかと言われ、『轢き逃げ』になった。その2作目を撮ったあとに、次があるなら、今度はもっとユーモアのある映画を作ろうと思ったんです。それで、いよいよ3本目もできるぞ、となった時に、ふと題材としてクラシックがいいんじゃないかと思いついて。

 でも、クラシックっていうと、ちょっととっつきにくい、固いイメージがあると思うんですね。なので、ど頭でオーケストラのコンサートが始まる直前、トイレから急いで席にもどってきた圭介に「あっちもこっちも間に合った」というせりふを言ってもらいました。そこで、肩ひじ張って見る映画ではないな、と感じてもらえたらいいな、と思って。この映画を導く大事な役割を町田さんにやってもらいました。

【町田】トイレに行ったり、愚痴ったりする僕らの雑味と、オーケストラが奏でる美しい音楽と、まったくベクトルの異なるものが存在する。どんな映画なんだ? と興味をひかれて、見ていくうちに、水谷さんがおっしゃるようなユーモアがあって、みんなチャーミングで、太陽の光のように温かい。これはもう、本当に水谷さんのような映画だなと思いました。

 できあがった作品を観た時に、僕だけ何か変なタイミングで笑っちゃったり、ほかの人がまた違ったタイミングで笑っていたりして、それがだんだん合わさってきたりして、まるでボレロの演奏のようになっていたのが印象的でした。

――タイトルにある「太陽」と「ボレロ」はどこからですか?

【水谷】30代の頃に、知り合いに誘われて行ったオーケストラの演奏会で初めて「ボレロ」を聴いて、一瞬で心を奪われました。本当に鳥肌が立つような、すごい演奏でした。あの時の演奏がずっとあったんでしょうね。脚本に取り掛かって、すぐにクライマックスは「ボレロ」になるな、と思いました。

 「太陽」は、いつも僕らにエネルギーを与えてくれる存在。無償の愛を感じるんです。困難なことがあっても、太陽が昇ってきたら、一生懸命生きるしかない。自然にタイトルは「太陽とボレロ」しよう、と決まりました。珍しいケースです。

【町田】そういえば、僕らのアマチュア交響楽団は「弥生交響楽団」というのですが、ロケをしていた町の旧名称が「弥生」だったと聞いて、それも偶然だったんですよね?

【水谷】そう! 映画は「弥生市」なんだけど、本当に偶然。脚本を書き上げてから、どこでロケしようか、という話になったし、今は使われていない町名ですからね。大小さまざまな奇跡が重なって映画ってできるんだな、と思いました。

#SHOW#町田啓太#チャーミング#インタビュー#石丸幹二

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