転売禁止法の施行待たず逮捕

NEWS2019年1月10日8:06 PM

兵庫県警が高額転売目的でELLEGARDENのコンサートチケットを不正に入手した30歳男性を詐欺罪の疑いで逮捕した

 兵庫県警は1月10日、高額転売目的でELLEGARDENのコンサートチケットを不正に入手した詐欺の疑いで30歳の男性を逮捕したことを発表した。

何がダメだった? 「特定興行入場券の転売に関する法規制」についての法案概要


■ELLEGARDENのZOZOマリン公演チケットを2次流通サービスへ8万円で出品

 兵庫県警によると、この男性は、8月15日に行われたELLEGARDENのZOZOマリンスタジアム公演のチケット1枚(4500円)を高額転売目的で不正に入手し、チケット2次流通サービス「チケット流通センター」を通じて8万円で転売していた。なお、コンサートチケットの販売条件には、「営利目的の転売」や「オークション等への出品禁止」が明記されていた。

 本件については、アカマイ・テクノロジーのボットを検知、制御する「Bot Manager Premier(BMP)」を採用し、ボットによるチケットの買い占め対策等を行っているイープラスが不正を発見。兵庫県警に情報提供し、逮捕に至ったという。

 不正転売について兵庫県警では17年6月にも、サカナクションやback numberのチケットを詐欺行為にて入手したとして、高額転売の常習者を摘発。その後も同種の容疑による摘発が行われ、本件で9件目となる。これらの摘発は、直接適用される法律が存在せず、従来摘発ができなかったインターネット上での高額転売について、転売目的を隠したチケットの入手行為を“詐欺”と捉えるいうものであり、不正転売対策を大きく進展させることとなった。

 実際、前述のケースでは、サカナクションのコンサートの電子チケットを転売目的で取得したなどとして詐欺罪に問われた男に対し、神戸地裁が懲役2年6月、執行猶予4年(求刑・懲役2年6月)を言い渡す判決も下している。この判決については、執行猶予がついたものの、求刑どおりの懲役2年6月という刑の重さも注目を集めることとなった。

■不正高額転売の罪状は、「チケット不正転売禁止法」違反だけでない

 なお、不正転売に関しては昨年12月8日の参議院本会議において、音楽コンサートやスポーツイベントのチケットの高額転売を規制する「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律案」が全会一致で可決成立。6月には施行される。

 この法律では、「特定興行入場券」について、「業として」行われる、販売価格を超える価格での有償譲渡が禁止される。ただし、今回の逮捕容疑は、施行前の「チケット不正転売禁止法」違反ではなく、詐欺である。これについて弁護士の東條岳氏(Field-R 法律事務所)は「高額転売目的を隠してチケットを入手することも詐欺罪に該当しうるとした事例がすでに複数ありますので、不正転売禁止法が施行される2019年6月以前の取引や公演であっても、詐欺を含む何らかの刑事罰の対象になる可能性はあります」と警告する。

「不正転売禁止法が成立したからといって、詐欺や迷惑行為防止条例違反といった従来の法律による取り締まりが行われなくなるというわけではありません。不正転売禁止法は従来の規制にアドオンされるものですので、その行為が違法なものであれば、詐欺や迷惑行為防止条例違反に問われることになります。このことは、不正転売禁止法の施行後であっても同様です」(東條氏)

 近年、社会問題化しているスポーツやコンサートの入場券のボットを使った買い占めや、不正な高額転売については、「チケット不正転売禁止法」だけでなく、どのような行為が違法となるのか、より深く理解する必要があるだろう。

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