100年前に描かれた2020年の日本

エンタメNEWS2020年1月31日8:10 AM

「居ながらにして見たり聞いたり…」、100年前に予想された「対面電話」はまるで「スマホ」のような機能が満載だ(画像提供「探検コム」)

 今から100年前、1920年(大正9年)に発行されたある雑誌で、有識者たちが日本の100年後を予想するという企画が実施された。そして迎えた2020年。その内容が実は大きく当たっているのではないか、とSNS上で話題を集めた。100年前の有識者の予想を、時代背景とともに「答え合わせ」してみよう。

【画】病院が空を飛ぶ? 100年前に予想された2020年、全51枚

■これが100年前の未来予想図、雑誌の大特集で掲載された51のイラスト

 80年代に連載された大友克洋『AKIRA』では、2020年の東京オリンピックを間近に控えたネオ東京が舞台。その予言性が一部で話題となったが、そうした予測をはるかに超えているのではないか、とSNSなどで話題が拡散し続けている雑誌がある。1920年(大正9年)4月、雑誌『日本及日本人』春期増刊号(通巻第780号)での大特集が「百年後の日本」。つまり2020年の日本なのだ。

 特集は、学者、文学者、実業家、思想家など、当時の知識人たちおよそ370人が回答を寄せたアンケートと、その挿絵イラストで構成される。

 飛行機が戦場に投入された第一次世界大戦の終戦から2年、関東大震災が発生する3年前。奇しくも1月に国際連盟が発足したばかりのこの年、日本の空気感とはどのようなものだったのだろうか。そして、その予想は実際にどの程度まで当たっているのか。誌面を飾った味わい深いイラスト群から、その内容をじっくりみていこう。

■東京の地下図も見事に的中!「完全実現すごいよ編」

◆『対面電話』
「芝居も寄席も居ながらにして観たり聴いたりできる」機能と、遠隔地との個人的なテレビ電話を同居させているあたり、ほぼスマホ。
◆『百年後の東京地下図』
各地下鉄路線をはじめ、電気・水道・ガス・通信その他もろもろ、まさに魔空の迷宮・ラビリンスと化した東京の現在を透視している。

■労働の成果は平等になる…「見方によれば当たってるかも編」

◆『労働成果の平等分配』
実際に妻や愛人が車で会社に送り迎えする平社員も、健康のため徒歩通勤する重役もいるだろう。平等分配の結果なのかどうかは判然としない。
◆『極端な自然破壊』
富士山の雪崩は、100年前から小規模なものはよく起きていたとみられる。富士山が不動のシンボルだったせいか、環境に与える影響が極端か否かの判断も常にセンシティブ。

■ピカソみたいな絵をみんなが普通に描く、「これはさすがに、ねぇ…編」

◆『百年後ふつうになってる絵画』(意訳)
ピカソなどのキュビズム勃興が20世紀初頭。鑑賞眼を多少は養われても、さすがに一般的にこういう絵をみんなが描いたりはしない
◆『百年後の総選挙』
どちらかといえば画像中の丸の中に描いてある、「運動費」を持ち歩く「以前の総選挙」がいまだにちらほら見え隠れしてしまうのが現実

■女性の社会進出が進んだ時代 100年前の予想に「結構当たってる」「予言できていてすごい」の声

 雑誌が発行された大正9年は、大正デモクラシー盛んなりし頃という時代背景もあり、人々が自分たちの力で、より平等で自由な社会へと日本を発展させていくのだ、というパワフルな気概や楽観主義のようなものが、通奏低音のように響いてくる。

 特に女性の社会進出に対する予想では、ややシニカルなものも含め、平塚らいてうらによる前年(1919年)の新婦人協会設立という出来事のインパクトを物語ってもいる。実際には、日本における女性参政権の獲得までには、この雑誌が発行されてから四半世紀もの時間が必要となった。1945年、第二次世界大戦の終結後のことだ。

 ネットユーザーの反響には「結構当たってる」「ほとんどの事が予言できていて凄い」という声のほかにも、「空飛ぶ病院に限りなく近いものはありますね」、「関東大震災より前なんですね。高層ビルの消火が課題というのが既に認識されていたんですね。現在でも、ビルがより高くなった分、問題は残されていますね。ほかにも、実現できてない課題が示されている気がします」といった、100年前と今を照応させつつ、現代にもいまだ残る課題をどうすべきか、といった建設的なものも多い。

 実はかなりの頻度で「豊富なる想像力を以てしても御答え難しく」(岸田劉生)というような回答も散見される特集「百年後の日本」。一方で「遠からず日米戦争を惹起し、その勝敗で100年後の運命が定まる」(末広重雄)、「100年の間に、一度は憧れの欧米から袋叩きにあう」(矢口達)、「人類の真の幸福が社会改造論者の手でひょいひょいと生まれるものか」(菊池寛)といった大意の激辛な予想もあった。

 100年で日本の姿は確実に大きく変わった。技術革新によりインターネットやデジタルデバイスは当たり前のものになり、女性の社会進出は道半ばであれ進み続けている。自動運転や空飛ぶクルマの社会への実装もすぐそこだ。これからの100年で、日本は、世界はどう変貌していくのだろうか。

 おまけで最後に独自予想をひとつ。2120年の日本では、あいもかわらずカッポレダンスが流行しているであろう! すでに火星に丸ごと日本が引っ越し済みだったりするかもしれないが…。
(画像提供「探検コム」)

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