“バラバラ”なのにハロプロ随一のパフォーマンス力!? 武道館公演大成功「Juice=Juice」の魅力

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タレメREPORT2016年11月14日11:05 AM

ハロー!プロジェクトの5人組アイドルグループ・Juice=Juiceが11月7日に初の単独武道館公演を開催、約1万人の観客を集め大盛況となりました。この武道館単独公演を実現させるべく、昨年6月から220公演開催を目指しスタートしたJuice=Juiceの全国ライブツアー。約1年半かけて全国47都道府県、そして海外を周り、先月29日の沖縄公演で、目標を上回る225公演でファイナル。そして、ついに念願の武道館公演となりました。ハロー!プロジェクトきっての実力派グループと言われ、メンバーの個性が際立つグループ・Juice=Juice。その魅力を探ります。

ハロプロ「つばきファクトリー」はじめ今年末から来年にかけてアイドルのメジャーデビュー続々

歌もダンスもハロプロ内で特に高いレベルを誇る

Juice=Juiceは、リーダーの宮崎由加さん(22)、サブリーダーの金澤朋子さん(21)、高木紗友希さん(19)、宮本佳林さん(17)、植村あかりさん(17)の5人組。2013年、「ハロプロ研修生」発のユニットとして結成されました。研修生出身メンバーに加え、所属レコード会社主催のオーディション出身の宮崎さんを加え、4月『私が言う前に抱きしめなきゃね』でインディーズデビュー。そして9月に『ロマンスの途中』でメジャーデビューしました。

研修生としてのレッスン歴が長かった高木さん、宮本さんをはじめ、当初から、歌、ダンスとも高いレベルで定評がありましたが、近年ではさらにそのレベルがアップ。パフォーマンス力ではハロプロ随一と言われます。彼女らがカバーする、先輩グループ・メロン記念日の『Magic of Love』などを聴くと、アイドルというより質の高いボーカルグループというイメージです。

高木さん、宮本さん以外は、歌やダンスの経験は浅かったメンバーですが(宮崎さんは当初周りと自分とのレベルの差に思い悩んでいたと語っていたこともあります)、数多くのライブをはじめ、ミュージカル経験、本格的なボーカルトレーニングなどを経て、めきめきと上達。そして昨年からの220ライブ公演を通して、現在のスキルに到達しました。

メンバー間のライバル意識も強く、今年病気を発表し、しばらくライブを休んでいた金澤さんは、復帰した際、同じくスタートが遅かった宮崎さん、植村さんの急成長に焦り、さらに奮起したといいます。

また彼女たちが、パフォーマンス力が高い要因の一つには、メジャーデビューから約3年でメンバーチェンジを一度も行っていないこともあります。ハロプロの歴史の中でも特にパフォーマンス力で定評があった07年~10年頃のモーニング娘。(いわゆる“プラチナ期”)。この時期のモーニング娘。には、現リーダーの譜久村聖さんら9期メンバーが2011年初頭に加入するまで、新メンバーの加入がありませんでした。新人育成に力を注ぐ必要がない分、固定のメンバーで切磋琢磨しながらスペシャリスト化していきました。それは今のJuice=Juiceにも通じるものがあります。

ハロー!プロジェクトのグループは、メンバーチェンジを積極的に行い、その繰り返しで進化していく形をとるグループが多いのが特徴ですが、プラチナ期のモーニング娘。同様、Juice=Juiceは、メジャーデビュー前にメンバーの脱退はあったものの、新メンバーオーディションもハロプロ研修生からの昇格も行っていません。これは稼働中のハロプログループの中では、現在の5人体制になってからは新加入はがない℃-uteくらいです(比較的デビューから日が浅い「こぶしファクトリー」は今後の動きがまだどうなるかはわからないので…)。

いい意味でのバラバラさ 「強い個性は残しつつ、まとまるところはまとまる」

音楽活動だけでなく、今年2月から放送されたドラマ『武道館』にも主演。彼女たちが演じた5人組アイドル「NEXT YOU」が武道館ライブを目指すというストーリーでしたが、フィクションとリアルがリンクするように今回の武道館公演実現となりました。

そんなJuice=Juiceはハロー!プロジェクトの中でも、メンバーの個性が強く、リーダーの宮崎さんによると、特に年下組の3人は「自由奔放すぎ」とのことで、「最初の頃はバラバラ過ぎて、グループ感というものがほぼない状態。楽屋でもみんなそれぞれ別々のことをしていたりとか、でもそこがいい部分でもあると思うんですけど…」と語っていました。

ですが、武道館コンサートにて、今年のツアー中のエピソードとして、初めてメンバー5人で大騒ぎする機会があったと喜んでいた宮崎さんが印象的でした。最近は待ち時間などに5人で集まってゲームをしたりして盛り上がることも多いそうです。「いい意味でのバラバラさ、強い個性は残しつつ、まとまるところはまとまっていきたい」と語る宮崎さんです。

今後のJuice=Juiceはどこへ向かう!?

バラバラで個性が強い集団のJuice=Juice。ですが、その絶妙な組み合わせで、“この5人じゃなきゃダメ”という感じは他のグループよりも特に強く感じます。リーダーの宮崎さん、サブリーダーの金澤さんは20歳を超えており、通常、“卒業”も視野に入る年齢ですが、二人ともデビューが遅かったこともあり、まだまだ発展途上のイメージはあります。このグループの特性上、今後も卒業も新メンバー加入もなく、もし誰かが抜けるときには解散、というくらいの印象。現在の5人で、さらなる高みを目指してもらいたいものです。

植村さんは研修生としてのキャリアは浅かったですが、手足の長さなど恵まれた身体を生かしたダンスの美しさには定評があり、ここに来てその才能が花開いた感があります。リーダーの宮崎さんは植村さんのダンスを「天才」と評します。今後グループのパフォーマンスのカギを握る存在になるのではと思われます。

宮本さんは、可憐なルックス、ステージでの表情の豊かさや、その発言などから「生まれながらにしてのアイドル」というイメージの女の子。その一方料理や美容に関心があったりメンバーの中でも特に“女子力”が高く、今後、そういった知識を生かした活動も期待されます。

グループ内、ハロプロ内のみならず、アイドル界全体でも圧倒的な歌唱力を誇る高木さんは、メンバーの中でも、より幅広い視野で音楽に関心があるようで、今後もグループの音楽性の向上をもたらしてくれるでしょう。

金澤さんは、ラジオの仕事が大好きと語っているように、ハキハキとした的確なトークに定評があります。今後もそういったトーク力を生かした活動がさらに広がっていくことに期待したいところです。

そしてリーダーの宮崎さんは、個性が強いメンバーの中でバランサー的な存在。メンバーたちの化学反応がさらに面白くなるよう、その存在感に期待しつつ、遅咲きながら力がついてきた彼女の歌のさらなる進化も楽しみです。また主演ドラマ『武道館』について、メンバーの誰よりも愛着があり、今でも何度もDVDを繰り返して観ているといいます。撮影中はドラマの現場をとても楽しんでいた彼女、演技力はまだまだ未知数ながら、好きこそ物の上手なれ、演技のジャンルにも進出していってもおもしろいかもしれません。

ハロー!プロジェクト一の個性派かつ実力派集団の今後がますます楽しみです。

文/田中裕幸

 

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