アイドル界では“80年代”ブーム!? 今“古きよきあの時代”が求められるのは……

タレメreport2019年11月27日4:48 PM

4人組ガールズグループ「東京女子流」のメンバー・新井ひとみさんが、かつて太田貴子さんが歌ったアニメ『魔法の天使 クリィミーマミ』の主題歌『デリケートに好きして』(1983年)をカバーし27日にリリース、ソロデビューしました。

その新井さんのCDのジャケットは80年代アイドルのような髪型と衣装で、当時のアイドルになりきったものになっています。

このほかにも、アイドル界では、80年代アイドル楽曲をカバーしたり、古き良きソロアイドル全盛期を思い出させるアイドルも目立ちます。

■ “80年代アイドル”になりきってソロデビュー 新井ひとみさん

新井ひとみさんのソロプロジェクト、きっかけはスタッフから、『デリケートに好きして』が新井さんの歌声に合ってるのでは、と勧められたことだといいます。

 

新井さんはソロデビューにあたり、髪型、衣装といったビジュアル面だけでなく、ミュージックビデオから、80年代ふうに作られたキャッチフレーズまでこだわり、あの時代を思わせる仕掛けがいっぱい。ミュージックビデオは、80年代に大人気だった歌番組『ザ・ベストテン』(TBS系)を思わせる、歌手が地方からの中継で歌うシーンを再現したり、CDの付録のVR映像は、昭和の喫茶店を思い出させる場所で撮影したり……。

 

また80年代アイドル特有の“親衛隊”を結成、デビュー前からミーティングを重ねていたりなど遊び心が満載。もともとスタッフから勧められて始まった企画ですが、本人的にかなりノリノリになっているようです。

 

新井さん自身、キャラクターや歌声に80年代アイドル的な素養があり、実にハマっています。12歳のときに「東京女子流」のメンバーとしてデビューした新井さん。もともとその高いアイドル性をファンや評論家らから認められながらも、グループの方向性としてカッコいい系の楽曲、パフォーマンスで魅せるものが多いところだったのが、今回満を持して、その秘めていたアイドル性が噴出した感じです。

 

『デリケートに好きして』のほか、ライブではおニャン子クラブの派生ユニット「うしろゆびさされ組」の『渚の「・・・・・」』(1986年)もカバーしています。今後はソロの「新井ひとみ」としてのオリジナル楽曲のリリースも目指すといいます。

 

■おニャン子クラブやCoCoなどの楽曲をカバー する「ハコイリムスメ 」 当時を知る年代から強い支持

 

2014年に結成されたアイドルグループ「ハコイリムスメ」は、メンバーチェンジを繰り返しながら、清純なイメージの10代メンバーで構成されたグループです。結成当初から、おニャン子クラブや、1989年にデビューし90年代初頭に活躍したCoCoやribbon、さらにアイドル歌手時代の斉藤由貴さんの楽曲などをカバーしてきました。

 

現在はオリジナル楽曲も歌っていますが、今も1980年代や90年代アイドルのカバーがライブのレパートリーに多く、ファンの中にはおニャン子クラブやCoCoなどをリアルタイムで知っている年代の人も少なくありません。ブレイクしているとまではいえないですが、上記の年代をはじめ一定のファンをつかんでいて、根強い人気となっています(現在は一時活動休止中)。

 

サンミュージック初のアイドルグループ「さんみゅ〜」は2013年のデビューシングルで、事務所の先輩だった岡田有希子さんの『くちびるNetwork』『ファースト・デイト』をカバー、ほかにも松田聖子さんの80年代楽曲を思わせるようなナンバーも歌っています。現在のライブでは、オリジナル曲中心で現代的なサウンドを聴かせる機会が多くなっています。

 

また現役アイドルが80年代アイドルの楽曲をカバーする対バンイベントが昨年ごろから目立ち始めており、12月16日には上記・新井ひとみさんや、さんみゅ〜も出演する「昭和アイドルアーカイブス スペシャル 2019 Winter」が開催されます。

 

■80年代アイドルの楽曲を好む現役アイドルも多数

 

上記のほか、アイドル自身で80年代、90年代のアイドルやアーティストを好む人も少なくありません。先日このコーナーで紹介した「Juice=Juice」宮本佳林さんは以前から松田聖子さんをリスペクトしていると公言。自身のソロライブで楽曲をカバーし、また平井堅さんや川本真琴さんらアーティストが歌った1990年代の楽曲も聴く機会が多いといいます。

 

宮本さんと同じハロー!プロジェクトの「アンジュルム」の元メンバー・田村芽実さん。現在はソロシンガーとして活動していますが、彼女のセカンドシングルのボーナストラックでは斉藤由貴さんの『MAY』(1987年)をカバーしているほか、公式You Tubeで「田村芽実COVERS」と題した企画を行い、ここでは“80年代”“アイドル”に限らず、ピンク・レディーから美空ひばりさんまで、昭和の名曲を幅広くカバーしています。

 

正統派アイドルとは一線を画した前衛的なサウンドで知られる4人組グループ「Maison book girl」の矢川葵さんも、ステージでの個性的な音楽とは裏腹に、松田聖子さんをはじめ1980年代など昔のアイドルが好きだといいます。

 

アイドルが80年代アイドルのことをSNSで綴ったりすることで、40代、50代のアイドルファンの心を掴み、それによってさらにファン層を広げるケースもあります。

 

■高齢化するファン 80年代アイドル楽曲に共感できる人も多数

 

上記・新井ひとみさんは今回のプロジェクトについて、「みんなの青春に寄り添えるような存在になれたらいいなと思います」とインタビューで語ってくれました。『デリケートに好きして』が青春という世代といえば40代後半以上となりますが、それについて新井さんは「昔親衛隊が盛り上がっているのを見て、『あ、行きたいな』と思ってたけど当時は行けなかった方も、私がひょっこり出てきたことで、来てもらって、当時みんながいいなと思っていたものを出来るような空間を作っていきたいなと思います」(「Girls News」より)と語っています。

 

アイドルファンはどんどん高齢化していき、80年代アイドルをリアルタイムで経験した40代以上の世代は、今やアイドルファンの中でも大きな勢力となっています。

 

この年代のアイドルファンは、今後自身の環境が大きく変わることがない限り、おそらくアイドルを卒業しない人が多いと思われます。自分の推しがアイドルを卒業しても、また違う推しを見つける……というように。また、この世代は自分の趣味のためにお金を自由に使える経済力があるのも特長です。その層をピンポイントでターゲットにする企画は、これからも増えてくるのではないかと思えます。

 

また80年代楽曲は、カバーすることでリアルタイム世代にキャッチーに訴えかけるのはもちろん、その時代を知らない若いアイドルファンの心にも刺さる、質の高いものが多いです。

 

現役アイドルにもファンの多い松田聖子さんから、今回の新井さんがカバーした太田貴子さんのように“知る人ぞ知る”という存在まで。今後たとえば、名曲が多いものの案外カバーされているケースが少ない「南野陽子」さん、当時坂本龍一さんや矢野顕子さん、竹内まりやさんなど大物ミュージシャンに楽曲提供されていた「伊藤つかさ」さん、『時をかける少女』が多くのアイドルにカバーされているものの、それ以外の80年代楽曲でも錚々たる一流ミュージシャンから提供されている「原田知世」さん、など、現役アイドルがカバーしたら面白いなと思える80年代アイドルの楽曲は多数。今後もこのトレンドにも注目したいところです。

文/田中裕幸

 

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