俳優に学歴は必要か?人気俳優の魅力と学歴の相関性を世代別に比べてみた!

タレメreport2015年3月10日5:40 PM

昨年発表された2014年の文春人気俳優ランキングで、1位は大方の予想通り堺雅人でした。実はこのランキングで、トップ10の中、5位の岡田准一をのぞく9人が40歳以上。さらに、半数以上が70年前後生まれに固まっており、すべて高学歴という結果だったのです。ヒット俳優と学歴って関係あるのでしょうか?

大学生=ブランド時代

かつての銀幕大スター、現在70歳代の俳優陣は明治大学の高倉健(ランキング2位)や小林旭、慶応大学の石原裕次郎に代表されるように、比較的富裕層の出身で、大学時代に仲間と劇団を設立したり、在学中に劇団に所属したりと、アクティブに青春を謳歌し、光り輝いているところを知人の業界関係者にスカウト・・・というのが主な流れで、人の目をひくスター性の高い俳優が多いのが特徴です。当時は「大学生」というブランドが確立されていたともいえます。

60歳代の俳優の多くもやはり大学在学中に目に留まることが多く、在学中に文学座などの有名劇団に所属し、卒業とともにそのまま芸能界デビュー・・・というパターンが多く、慶応大学の中村雅俊や関東学院大学の松田優作などが出てきます。当時は演劇ブームで学生演劇も盛んで、小劇団が数多くありました。現在ドラマの脇を固める、斉木しげる佐藤B作なども早稲田大学の劇団木霊出身です。同時期に、アウトローな魅力の岩城滉一(帝京大学中退)や舘ひろし(千葉工業大学中退)など、バイクチーム出身の俳優も多く出てきました。しかし、チーム自体も硬派で、きちんと大学にも通っていたなど、家庭環境は恵まれていたようです。

逆に大学に行っていない俳優さんは、風間杜夫水谷豊(ランキング8位タイ)のように、児童劇団からキャリアを積んできた人がほとんどです。特に水谷豊は『ヴァンパイア』でデビュー後、『傷だらけの天使』『熱中時代』で人気が出るまでは、安定した演技力を見込まれて、大卒俳優主演の刑事ドラマの「初回犯人役」などを多くつとめました。

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不遇?幸運?高度成長期俳優の特徴

50歳代でランクインした佐藤浩市(7位)、渡辺謙(8位タイ)は二人とも大学に進学していません。経済が安定し、アルバイトや役者としての収入でも食べていけるようになったのも原因の一つとしてあり、「大学生活をエンジョイ→業界人の目にとまってデビュー」というメインルートが崩れ、新たなルートができました。世界の名優・渡辺謙(ランキング8位タイ)は、成績は十分でしたが、学費がなく進学を断念しました。しかし24歳で演劇集団円に入団すると即頭角を現し、2年の研修期間を終わる前に蜷川幸雄演出舞台の主役を演じるほどになりました。また佐藤浩市は映画専門学校在学中に俳優デビューし、即新人賞を受賞。同年代の三上博史も、高校在学中にオーディションで寺山修司に見出され、フランス映画の主演に抜擢されました。この世代は、「演出家などに才能を見いだされ抜擢」されるパターンが多いのが特徴です。戦後時代とは違い、資産家ではない一般家庭の子息が劇団に入っても生活に不自由することなく安心して活動ができ、また、新人を主演に据えた舞台や映画を製作しても、容易にスポンサーがつくなど経済的に恵まれていたのも要因の一つでしょう。

オーディション全盛期バブルデビューの俳優たち

バブル期に青春を過ごした40代俳優たちには更に多くのチャンスがありました。消費が増えたため、映画館や劇場に足を運ぶ機会も増え、俳優の仕事も必然的に増える事になりうます。スポンサーの支援も得やすく、オーディションで選ばれて新人を多様する映画などが数多く作られました。江口洋介織田裕二仲村トオルなどは、素人参加型オーディションでブレイクした先駆者です。

江口主演の『湘南爆走族』は主役・準主役・ヒロインすべてが、8万人以上が参加したオーディションで選出されました。織田裕二・江口洋介ともに、細々とですが芸能活動をしていたので、専修大学にエスカレーターで進学していた仲村トオル以外は、厳密には素人ではなかったのですが、無名の新人が主演するものでは、かなりお金のかかった映画で、さらに金銭以上のヒットを生みました。

織田裕二とともに、トレンディドラマ界を牽引したのが、秦野のヤンキー高校生だったという吉田栄作です。『ナイスガイ・コンテスト・イン・ジャパン』で優勝し、即『ガラスの中の少女』で映画デビューしました。江口洋介には暴走族のうわさがあり、織田裕二は当時やんちゃだったと自伝で話しています。当時は不良マンガなどがブームで、「カッコイイ=アウトロー」というイメージがありました。織田裕二は私立桐蔭学園小学校から高校までエスカレーターで進学しており、江口洋介の出身校と言われている駒込高校もかなりの高偏差値校です。ヤンキー映画も全盛期で、必然的に高校生役・不良役の需要が増え、大学へ進学する暇もないほど忙しく、あえて他の道を選んだのでしょう。

いわゆる元ヤンと言われる的場浩司宇梶剛士など、数多くの元ヤンキー俳優がデビューしたのもこのころです。少し年下ですが、中卒でジャニーズ事務所を素行不良で退所になった反町隆史なども、「ワルカッコイイ」系の俳優といえるでしょう。当時、受験戦争が過熱し、大学進学が一時的にハードになったのも理由の一つかもしれません。

それに前後して、『メンズノンノ』モデルで中央大学在学中の阿部寛(ランキング3位)がカリスマ的な人気を得て俳優デビューします。モデルから俳優への流れもこのころから増えてきました。高校時代からモデルとして活躍した竹野内豊(ランキング4位)など、現在も非常に人気が高いのが特徴です。二人とも頭も大変よく、役柄に対応して外国語を習得するなど、努力を惜しまなかったことも成功の秘訣でしょう。

それ以前までの主流だった、学生演劇出身者もまだまだ健在です。とくに「早稲田のプリンス」と呼ばれていた早稲田大学劇団オレンジ出身の堺雅人(ランキング1位)などは舞台などで地道に経験値をつみ、30代になってから大きく花開きました。

横浜国立大学を中退し、演技学校から刑事ドラマ、トレンディドラマと10代から人気があった西島秀俊(6位)は、アイドル路線での売り方を嫌い、事務所を移籍し民放ドラマへの露出が減りましたが、演技の勉強や映画出演などを経て花開く事になります。

芸能一家で東大卒という異色の肩書をもってデビューした香川照之(8位タイ)も、壮年になってから花開いた俳優の一人です。頭がいい俳優は努力の仕方、努力の実らせ方をわかっているのかもしれませんね。

現在の俳優陣の大学進学率はやや高めです。少子化で大学への進学が容易になったことや、芸能活動なども推薦入試の成績に加味されるようになったためです。逆に最近の芸能界では「大学卒」の肩書を不要とする俳優も増えたのが特徴です。学歴至上主義がおわり、本格的に「学歴」だけでは計れないものを求める人が増えた結果でしょう。

シュタイナー学園初等部・中等部、日本学園高等部を卒業した斎藤工は、父親に「進学よりも現場にでろ」と指導されたといいます。また目黒高校出身と噂される福士蒼汰はイタリア語・英語を独学でマスターするなどのパーフェクト男子です。おりしも現在若手トップ2は優秀な高校に進学していても、大学への進学はしていません。しかし決して努力は怠らないのが魅力といえるでしょう。昔に比べ学歴が不要になったというよりも、頭の良さに加え更なる魅力も求められる時代……になったということでしょうか?

文/藤原ゆうこ

 

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