脚本とキャスティングの勝利!?『下町ロケット』の魅力とは?

#キャスティング#半沢直樹#頑張れ#プライド#仮面ライダー

タレメREPORT2016年2月8日2:55 PM

2015秋ドラマ、もっとも話題になった作品といえば、やはり『下町ロケット』ではないでしょうか。秋ドラマだけではなく2015年の最高ドラマのひとつと言っても過言ではないかもしれません。

池井戸作品にはずれなし!

『半沢直樹』の原作『オレたちバブル入行組』がもっとも有名と思われがちな池井戸潤氏の作品ですが、もしも一作だけ代表作をあげるとしたら、この作品『下町ロケット』でしょう。この『下町ロケット』、なんとあの直木賞を受賞しているのです。

『半沢直樹』の大ヒット後、各局が池井戸作品の取り合いになりました。2015年は『ようこそ、わが家へ』『花咲舞が黙ってない』『民王』と、続々ドラマ化されています。そんな競争の中、一番の人気原作である『下町ロケット』を製作・放送したのが『半沢直樹』と同じTBS『日曜劇場』です。

『オレたちバブル入行組(半沢直樹原作)』『ルーズヴェルト・ゲーム』の映像権と共に、一気に取得したというTBSさんの大勝利と言えるでしょう。

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お金とプライド、頑張れば報われる!

池井戸作品の作品の一番の魅力は、視聴者が「気持ち良い」ところでしょう。技術者やサラリーマンとしてのプライドによる「対立」が分かりやすい構図で描かれ、曖昧ではなく「敵」がとてもはっきりとしています。そのため、視聴者はしっかりと感情移入する事が出来るのです。

また、現実的なキャラクター、現実的な設定でありながらも、「味方」の頑張りによって、もしくは「スパイ」が寝返る事により、マイナスの状況を一気に打開するなど、驚きの大どんでん返しで(視聴者の)理想的な結末になる・・・、この「爽快感」がクセになるのです。

皆の“大好き”を詰め合わせた宝箱

「ほら、みんなの大好きな池井戸潤だよ」と、それだけでも私たちドラマファンは興味津々だというのに、実力派俳優でありながら「メンズノンノ出身のイケメンモデル」阿部寛さんが主演です。

さらに、「みんな大好き朝ドラ」のヒロイン・土屋太鳳さん。そして主婦の大好きな特撮班から、仮面ライダードライブ役竹内涼真さん、仮面ライダー鎧武の佐野岳さん、仮面ライダー555、カブト、000、超星神グランセイザーに出演した阿部進之介さん、『轟轟戦隊ボウケンジャー』の高橋光臣さん。

さらに、舞台好きにはたまらない、TEAM NACSの安田顕さん、戸次重幸さん、大人計画の近藤公園さん、元劇団☆新感線の橋本さとしさん。他にも新井浩文さんや木下ほうかさんなど、話題にのぼる実力派を起用。

杉良太郎さん、吉川晃司さん、世良公則さんなど、一時代を築いたスターもいれば、お笑い芸人さんや、金剛地武志さんなどの知る人ぞ知る俳優さん、舞台で話題の山崎育三郎さんなど、どの年代の視聴者にも「この人が出るなら見たい!」と思わせるような見事なキャスティングでした。

まさかまさかのキャスティング!

そしてなによりのヒット要因は、「イケメン」「善人」「お坊ちゃま」を絵にかいたような、元総理のご子息・小泉孝太郎さんを「悪役」で起用した事でしょう。

小泉さんの善良そうなあのお顔から手ひどい台詞が出てくると、余計に迫力を感じ、小泉さんの演技に惚れ直すだけでなく、あの表情の変化や細かい心理描写で、作品全体をググッと締めてくれました。いつもの爽やかな笑顔の裏の不敵な笑みに、ゾクゾクさせられた方(特に女性ファン)も多いのではないでしょうか?

初回放送で16パーセントを越えるなど、当初から話題性は抜群でしたが、だんだんと右肩あがりに視聴率も上がり、『半沢直樹』ほどではありませんでしたが、十分“大成功”に終わったと言えるでしょう。

文/藤原ゆうこ

 

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