「ソンジェ」脚本家、独占コメント

#アンナ

エンタメNEWS2025年5月7日10:00 AM

完全版脚本集『ソンジェ背負って走れ ー日本公式版ー』

 ビョン・ウソクとキム・ヘユンが出演した韓国ドラマ『ソンジェ背負って走れ』の日本版脚本集『ソンジェ背負って走れ ー日本公式版ー (2巻セット)』(世界文化社)が発売された。脚本を手掛けたイ・シウン氏の独占コメントを紹介する。

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 『ソンジェ背負って走れ』は、ある日突然生涯を終えてしまった有名アーティストのソンジェ(ビョン・ウソク)と、彼を愛してやまない大ファンの女性ソル(キム・ヘユン)が、過去にタイムスリップするファンタジーロマンス。人気作家キム・パン氏のウェブ小説を原作に、『女神降臨』『トップスター・ユベク』を執筆したイ・シウン氏が脚本を手掛けた。韓国や日本のみならず世界109ヶ国でヒットした。2人のロマンス、切ないシーン、ギャグも注目を集に。ドラマファンから、出演した2人に付き合ってほしいという声があがるほどだった。

 脚本集は、全16話を収録した2巻セット。追加シーンや未公開シーン、キャラクターの詳細な履歴書などが収められている。また、ビョン・ウソクとキム・ヘユンの独占インタビューでは、撮影の裏話やキャラクターへの深い思いが語られているほか、直筆サイン&メッセージも収録されている。

■「3度の夏を過ごした」修正を重ね丁寧に完成

――日本にも韓国作品のファンはとても多いです。日本でヒットを受けた感想も教えてください。

心より感謝申し上げます。韓国だけではなく、日本、そして世界中でドラマが愛されていることを知る度に、夢のような気分になります。皆様に感謝の気持ちをお伝えしたいと思っていたので、こうしてごあいさつする機会をいただけてよかったです。本当にありがとうございます!

――「脚本家より」のメッセージで、「3度の夏をこの作品と共に過ごしました」とありました。どんな心境で寄り添い、脚本に落とし込んだのか。3年間の思いを教えてください。

最初に企画を立ち上げた時は、ひたすらワクワクしていました。キャラクターを作り、全体のストーリーを大まかに組み立てて、ようやく第1話の初稿を書き上げた頃には、一度目の夏が訪れていました。当時は私の書いた脚本で表現されるソルとソンジェの物語が、どんなふうに始まって、どんな結末を迎えるのか楽しみでしたね。そうやって脚本を書き進めながら、2人の物語に肉付けをして内容が充実してきた頃、二度目の夏を迎えました。その後、それまでに書き上げた脚本をもう一度、時間をかけて修正しました。後半のストーリーの具体化にあたって、前半の脚本を読み返すと、また筆を加えたくなるのが脚本家の性なんです。

3度目の夏、台詞の一つ一つに修正を重ねて丁寧に書き上げた脚本で、ついに映像化に取りかかりました。俳優をキャスティングして、撮影が始まったということです。その時からは気が重かったですね。この作品を選んでくださった俳優陣、監督、スタッフたち全員が心を1つにして、暑い日も寒い日も情熱的に演技して撮影する過程を遠くから見守りながら、彼らに迷惑をかけたくない気持ちで脚本を最後まで書き上げました。

――オリジナルではない、原作がある物語を映像化するにあたり、大きく注意しているポイントを教えてください。

小説やウェブトゥーンが原作である作品の映像化には、いろいろな困難が付きまといます。脚本家それぞれに自分なりのこだわりがあると思いますが、私は初めて原作を読んだ時の感情を忘れずに、新たな物語を作り上げるのが好きです。また、ドラマという媒体の特性に合うストーリーを構成するために、やむを得ず修正を加えることも多いのです。原作を愛するファンの皆様にも、ドラマならではの新鮮な面白みを感じていただけるように、頭を悩ませながら執筆しています。

――一瞬のはかない思いを形にすることはとても難しいですが、このドラマではそれが言葉と演技で見事に表現され、多くの人に伝わりました。脚本は細かな心境まで書かれた印象ですが、スタッフや俳優とのやり取りで特に意識したポイントを教えてください。

私はト書きを詳細に書くタイプではありますが、この作品では今まで以上に俳優との脚本の読み合わせを行いました。撮影に入る前、そして撮影期間中も全員で集まって脚本を読みながら、私の頭の中にあるシーンと俳優陣や監督の考えているシーンをすり合わせられる機会が多かったです。

主人公たちは10代、20代、30代をすべて演じなければならず、監督は過去と現在の行き来を演出する必要があったため、齟齬が生じないように力を入れました。彼らにはキャラクターと作品に対する情熱があり、撮影で忙しくても時間を割いて私に質問してくださいました。そのやり取りを通じて、シーンに込められた感情を完全に“自分のもの”にして演じてくださった主人公たちに感謝しています。彼らの努力の甲斐あって、脚本以上のものが映像で表現されたのではないかと思います。

■ビョン・ウソク&キム・ヘユン、役者のすごみ

――脚本を書き進めるうえで、手応えを感じたポイント(シーン)などはありますか?

最終話のラストシーンですね。ドラマが放送されていた2ヶ月間をハラハラしながら過ごし、16話にもわたるストーリーが締めくくられ、ようやくラストシーンが映し出された瞬間は、いつまでも忘れられないと思います。“無事に完結した”と自分に言い聞かせて、やっと肩の力が抜けました。

――ドラマで感じたビョン・ウソク、キム・ヘユン、それぞれの役者としてのすごみを教えてください。

ビョン・ウソクさんは情熱的で、ものすごく努力家です。ソンジェというキャラクターは、たくさんのことをこなさなければいけない役柄なんです。水泳選手を演じるだけではなく、歌手なのでステージで歌も歌わなければいけません。撮影が始まる前から水泳を習い、歌の練習も頑張っていたと聞いています。1つに集中するだけでも大変なのに、いろいろなことを同時に準備するのには苦労したはずです。それにもかかわらず、ソンジェというキャラクターに私と同じくらい(ひょっとすると私以上に) 愛情を持って、役に入り込んでくださったことがありがたかったですし、すばらしいと思いました。自分が演じるキャラクターにそれほど深く入り込み、愛情を注げる俳優なので、次回作やその次の作品ではどんな姿を見せてくれるのか期待が高まります。

キム・ヘユンさんは本当に愛らしい方です。もともとヘユンさんをイメージしてソルを書いていましたが、実際にお会いした彼女は、私が思い描いていた日差しのような愛らしい少女そのものでした。それでいてプロ根性があって、優しくて芯が強い人だと感じましたね。真冬に夏のシーンを撮影したり、冷たい水の中に飛び込んだりと大変な撮影の時も、つらいそぶりを一切見せずに撮影に臨んでいるとスタッフたちから聞き、本当に驚いた記憶があります。お会いする度に“大変でしょう”と声をかけると、“大丈夫ですよ”とにっこり笑うんです。そんな人を好きにならずにいられるでしょうか?ヘユンさんの愛らしさがそのまま映像になり、そんな彼女だから多くのファンに愛される俳優になれたのだなと感じました。

■好きな作品の俳優「全員好きになるタイプ」

――韓国は純愛を描いたラブストーリーがとても多く、ヒット作も多数生まれています。ラブストーリーを描く難しさやプレッシャーを感じたことはありますか?

私は、劇中での“葛藤”という要素が大切だと考えています。ですが、純愛もののラブストーリーで葛藤を描くには限界があります。男女が疲れ果てるまで争ったり、憎み合ったり、裏切るといった展開を作るのは、ちょっと無理がある場合もあります。そのため、他の危機的状況を作る必要があるのですが、それが難しいところですね。

“純愛ものなのに…こんなに愛し合っているのに…どうやってすれ違わせたらいいんだろう?”と。お互いのことが死ぬほど大好きな主人公たちが一体なぜ道を違えてしまうのか、視聴者の皆様に納得していただけるように描くのが一番難しいです。

――放送中、視聴者からの反応や評価を気にしますか?

もちろんです。脚本は視聴者に映像でお見せするために書かれた文章ですので、大衆の反応を気にせざるを得ません。反応を気にしない脚本家は、いらっしゃるのでしょうか?ドラマの放送中はあまりの緊張で、まともに見たことがないほどです。視聴者がどんな反応をするのか、不安でたまりません。

――日本の作品で興味があるものはありますか?好きな俳優などいらしたら教えてください。

ドラマは、『アンナチュラル』がすごく面白かったです。ドラマのサウンドトラックもよく聴いていました。それから、是枝裕和監督の穏やかでありながらも感動を与えてくれる作品が大好きです。私は作品を好きになると、そこに出演している俳優は全員好きになるタイプなので、私が見た作品に出ているすべての俳優のファンだと言えますね。

『ソンジェ背負って走れ ー日本公式版ー』
※全2巻セット
著者:イ・シウン
翻訳:JKLink
発売日:2025年3月9日(日)
定価:5500円(税込)
仕様:全2巻セット/四六判 1巻 552ページ・2巻520ページ
発行:株式会社世界文化社

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