「飲む日焼け止め」は焼けない?

#田中みな実

エンタメNEWS2025年5月8日9:00 AM

いよいよ強くなってきた日差し、対策どうする?

 いよいよ気温も日差しも強くなり、より日焼け止めが欠かせない今日この頃。最近では、体の中から日焼けをケアするサプリや、「飲む日焼け止め」も注目されています。でも、これらだけで日焼けは防げるものなのでしょうか? タレントの田中みな実さんが紹介したことで話題のビタミンCサプリなどについて、クリニックフォア監修医兼ナチュラルスキンクリニック院長の皮膚科専門医・圓山尚(えんやまたかし)先生に聞きました。

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■田中みな実らの発信で注目、リポソーム化ビタミンCの評価は?

──田中みな実さんや美容系インフルエンサーが注目したことで、リポソーム化ビタミンCのサプリが流行っています。従来のビタミンCのサプリとは何が違うのですか。

 「ビタミンCをリポソームというカプセルに閉じ込めたサプリです。ビタミンCは水溶性のため、摂取しても体外に排出されやすいのですが、脂溶性のリポソーム化することによって体の中でゆっくり溶け出し、吸収率を高める効果があるのが、従来のビタミンCのサプリとの違いです。ビタミンCの血中濃度を長時間安定的に保てるため、ビタミンC本来の抗酸化作用が期待できるのがメリットとされています」

──わりと最近話題になったもののようですが、先生の評価はいかがですか?

 「理論上はとても効果があると思います。ただ一方で、医師の間では“別にリポ化(リポソーム化)しなくてもビタミンC含有量の多いサプリを服用すればいいのでは?”という意見もありますね。最近はビタミンCが2000、3000mgと高配合されたサプリもありますし、どちらを選択したほうがいいかはまだ決着がついていない状況です」

──リポソーム化ビタミンCには、なにかリスクはあるのでしょうか。

 「強いて言うならば味ですね。かなりクセのある味なので、一般的にはジュース等に溶かして飲むように案内されています。中には直飲みされる猛者もいらっしゃいますが、僕もあの味は苦手です(笑)。ただ基本的にはビタミンCなので、副作用等は特にありません」

──これからの季節は日焼けが気になります。日焼け対策として、リポソーム化ビタミンCは効果がありますか?

 「対策というよりも、日焼けによって受けた肌のダメージを修復する効果を期待するものです。日焼けを防ぐために飲むものではありません」

──最近は「飲む日焼け止め」をうたった商品がドラッグストアでも増えています。どのような成分が入っているのでしょうか。

 「主に抗酸化作用のある植物由来ポリフェノールを主成分としたものが多いですね。ただし飲む日焼け止めだけで完全に日焼けが防げるわけではなく、紫外線を浴びた後のシミや肌老化を防ぐ効果がメインというものが多いでしょう。もともと飲む日焼け止めは海外から話題になったこともあり、FDA(アメリカ食品医薬品局)からは『過信してはいけない』という注意喚起も出されています。紫外線をカバーするためには、必ず塗る日焼け止めを使用することが推奨されていますね」

──どの程度の効果が期待できるのでしょうか。

 「一般的な飲む日焼け止めのSPF(紫外線防御効果)は1.5ほどです。塗る日焼け止めであればSPF50+のものもありますし、この数字だけでも効果の違いはわかるはずです。そういう意味では、『飲まないよりはまし』という程度でしょう。ただ、併用することで紫外線によるダメージを防ぐとともに内側からのケアも期待できるため、アリだと思います」

──基本的な日焼けのリスクを教えてください。

 「紫外線によって肌の内部の細胞が傷つき、酸化ストレスがかかるのが日焼けのリスクです。酸化とは簡単に言えば細胞が錆びるということで、シワやシミ、たるみなどあらゆる肌トラブルの原因になります」

──日焼けによる肌ダメージの回復には、リポソーム化ビタミンCや「飲む日焼け止め」のほかにどんなものがおすすめですか?

 「ビタミンCに合わせてビタミンEを摂るのがいいでしょう。この2つのビタミンは抗酸化ネットワークの代表的な組み合わせで、互いの抗酸化物質が連携して相乗効果を発揮します。ただし炎症などを伴う日焼けは、塗り薬や飲み薬などによる治療が必要な場合もあります。日焼けの症状が強い場合は、サプリだけで治そうとせず、早めに皮膚科を受診することをおすすめします」

【監修】圓山 尚(えんやまたかし)
ナチュラルスキンクリニック院長兼クリニックフォア監修医。金沢医科大学医学部卒業後、日本医科大学附属病院皮膚科に入局し皮膚科・皮膚外科・レーザーを中心とした診療を行う。その後、湘南美容クリニックでの勤務を経て、2019年にクリニックフォア新橋院を開院。現在はクリニックフォア監修医と永福スキンクリニック(現ナチュラルスキンクリニック)の院長を務め、”美のかかりつけ医”として活動している。

(文:児玉澄子)

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