ドラマ「シナントロープ」や映画「WIND BREAKER」など様々な役柄を演じる萩原護さんへインタビュー

タレメREPORT- インタビュー2025年12月19日5:00 PM

アニメ「オッドタクシー」の脚本で知られる此元和津也が原作・脚本でオリジナルストーリーを書き下ろし、映画『もっと超越した所へ。』を手掛けた山岸聖太が監督を務めるドラマプレミア23「シナントロープ」。街の小さなバーガーショップ・シナントロープを舞台にした男女8人の青春群像ミステリーがその複雑な人間模様の考察で話題を呼んでいる。人間観察能力に長けている静かで不気味な新人バイト・志沢を演じる萩原護の素顔に迫ってみた。


――ドラマ「シナントロープ」に出演されたいきさつを教えてください。

監督の山岸さんと何回かご一緒していまして、今回、長いドラマでは初めて声を掛けていただきました。

――脚本を読まれての感想を聞かせてください。

オリジナルの脚本がとても面白かったです。独特の世界観やセリフの言い回しが此元さんの特徴ですが、それが読んでいてとても面白い! 単純に読み物として引き込まれました。セリフを追っているだけで楽しい脚本は初めてです。

――最初から志沢役で声が掛かったのでしょうか?

そうです。山岸さんから見たら、自分はこう見えてるんだなぁって(笑)。だからあまり違和感はなかったですし、僕自身も好きなキャラクターです。

――髪型はどなたかのご指示で変えたんですか?

元々のキャラクター設定みたいな感じでイラストもあったので参考にしました。また台本に都成(水上恒司)のセリフで「何、お前、『梨泰院クラス』のパク・セロイみたいな髪型してるんだ!」というのがあったので、最初から志沢はこんな髪型に決まってたのかなと理解しました(笑)。

© 此元和津也/「シナントロープ」製作委員会

――すんなり入ったんですね(笑)。鳥の名前のあだ名については?

実はハシビロコウは元から好きだったんですよ。YouTubeとかで動画を見ていたりしたので、この役をきっかけに実物を見に行きましたね。上野動物園にいるミリーちゃんが推しです。まさか、今、こんなにハシビロコウが好きになるとは思ってませんでした。

――この役に対する愛着がすごい!

そうですね、この志沢役が本当に大好きです。脚本の時点でもだいぶキャラクター性が強い登場人物だったんですが、演じていて何の抵抗もなかったです。

――自分と似てる部分は?

動かないところが最大の特徴です。

――でも後半につれて表情も豊かになりますよね。

徐々に感情を出していこうという意識はなかったんですけど、志沢が失恋する回があるんです(8話)が、今まで無表情だった志沢が、その時は少し感情が見えてもいいかもですねというお話を山岸さんとしました。山岸さんは「シナントロープ」のキャスト陣のムードを大切にして演出をされています。その空気感やキャストたちのノリに乗せて盛り上がってきたところがありますね。

――シナントロープの店内のセットもこだわってますよね。

見えないところも意外とこだわっているんです。天井よりもっと上の方に月か太陽があるんですけど、それは撮影の最終日に気づきました(笑)。ほかにも、レジを打つとちゃんとレシートが出てくるんですよ、シナントロープのロゴや住所も入っている。都内の設定なんですが、ギリギリない住所でそれっぽくて(笑)。

――メインの8人以外にも脇を固める人物たちも気になる方ばかりです。萩原さんから見て特に後半にかけて気になる動向の方は?

インカアジサシですね。謎だらけのお爺ちゃん。ただ物ではない感じ。

――物語が進むにつれて盛り上がっていきますが、視聴者の方にアピールしたい細かすぎる見どころはありますか?

もしかしたら気づいている方もいるかもしれませんが、志沢とキバタン(坂東龍汰)が本編とはまったく関係ないんですけど、めっちゃキスしているんですよ(笑)。最初は投げキッスだったり距離があったりした段階もありつつ、順を追ってちゃんとゴールインしているんです。全部、坂東さんのアドリブなんですけど(笑)。

――そこだけ切り抜くと、2人のストーリーなんですね(笑)。

『キバタンと志沢って実は……?』という坂東さんの始めたサブストーリーがありますので、そちらもぜひ(笑)。

――シナントロープのバイトたちは何かしらの才能がある人ばかりです。演じた志沢も観察力が鋭いですし……。『タレント名鑑』のタレントは才能の意味なのですが、萩原さんは人に負けないような特殊能力はありますか?

髪の毛が伸びるのがめっちゃ早いです!

――思っていたより志沢ヘアじゃないことにびっくりしました。

すぐ伸びるんですよ。半年あれば坊主頭からここまではイケますね。自分の頭皮が柔らかくて、髪の毛をどこまでも引っ張れて変幻自在なことに映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』の撮影時に気づきました。

――あの映画もセットすごかったですね!

町をそのまま生かしながらセットを作った感じでした。沖縄の金武町という所で、壁の上に壁を貼って塗装したり、どこまでがセットでどこからが本物なのか分からないくらいでした。ちゃんと商店街としても機能しているので、限られた時間での撮影が終わったら、そのまま商店街に戻るという。リアル東風商店街でした。

――長い地方ロケも初めての経験だったのでは?

すごく楽しかったです。地元のおじさんと仲良くなって、その土地の名所や美味しい食事などを教えてもらったりしていたすごく親切な方でした。今でも連絡を取り合ってます(笑)。

――沖縄にいる間のオフはどう過ごしたんですか?

ひたすら一人で散歩していましたね。せんべろが有名な飲み屋街があるのですが、そのバリエーションの豊かさに驚きました。食べたものでお気に入りだったのは、シナモンロールです。

――沖縄感ないですね(笑)。

ISSAさんが通っていたという大衆食堂のミッキーという地元密着型の食堂は、キャストみんなが行っていましたね。僕はよくステーキ丼を食べてました。お店の女将さんの人柄が温かくて、撮影時期によく通っていたので、ある時、まかないが出てきた時は嬉しかったです。

――印象的だった撮影シーンはありますか?

僕が所属した<獅子頭連>は、とにかく人数が多かったんです。廃ホテルの屋上にアジトとしてセットが作られたんですけど、深夜にすごい人数で雄叫びを上げながら撮影したことを憶えています。

© にいさとる/講談社 ©2025「WIND BREAKER」製作委員会

――萩原さんにとっては初めてのアクションですが何か準備はしましたか?

東京にいる頃からアクションのレッスンに通い準備をしました。沖縄に着いてからも、全員で練習をしました。アクションって、相手との距離感を計ることが大事なんだなとわかり、単純に役者同士のコミュニケーションがより大切になるんだと考えました。言葉でも「こう動きます」というすり合わせも必要ですが、演技が始まるとやるしかなくなります。そうなると、相手を意識しながら動くので、結果としてコミュニケーションが重要と知り驚きでした。

――やる側とやられる側、どちらが難しかったですか?

やる側ですね、人を殴ったことないので(笑)。人を殴ったように上手く見せるのが難しかったです。

 

――年末なので、今後目指したい俳優像や目標を伺いたいです。

年を追うごとに焦りが出てきまして……(苦笑)。もっと地に足をつけて、むしろ、足を埋め込むぐらいに根を張って、どっしりと構えて演技の仕事をしていきたいです。

ヘアメイク/哲平
取材・文/山木なぎ子
撮影/日本タレント名鑑編集部

<プロフィール>
萩原護(ハギワラマモル)
2003年7月9日 東京都出身

ドラマプレミア23「シナントロープ」

毎週月曜 夜11時06分~11時55分 放送

テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、
テレビ北海道、TVQ九州放送
※各話放送終了後から「Prime Video」にて見放題独占配信

【出演】水上恒司、山田杏奈、坂東龍汰、影山優佳、
望月歩、鳴海唯、萩原護、高橋侃
【原作・脚本】此元和津也
【監督】山岸聖太

© 此元和津也/「シナントロープ」製作委員会

映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』

大ヒット上映中!

【出演】水上恒司、木戸大聖、八木莉可子、綱啓永、
JUNON(BE:FIRST)、中沢元紀、曽田陵介、萩原護、
髙橋里恩、山下幸輝、濱尾ノリタカ、上杉柊平
【監督】萩原健太郎
【配給】ワーナー・ブラザース映画

© にいさとる/講談社 ©2025「WIND BREAKER」製作委員会

 

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