保護猫14匹の多頭飼い、なぜ?
エンタメNEWS2025年9月22日8:00 AM
奥に佇ずむのが、目の見えない猫・ちったん。保護猫大家族の”ボス猫”だった
14 匹の保護猫と暮らす日常を発信している、飼い主さん(@chittan.com.2016)は、目の見えない猫・ちったんとの出会いを皮切りに、さまざまな境遇を経て集まった保護猫たちを迎えて“保護猫大家族”を築いている。庭に解き放たれ、時間になると部屋に撤収する…個性あふれる猫たちの行動はSNSでも毎度話題となり、「お利口さん」「猫たちがこんなに集団行動できるなんて」と反響の声も。そんな飼い主さんと猫たちの暮らしの中心には、いまも目の見えない猫「ちったん」の存在があるという。保護猫たちとの絆をどのようにとらえているのか、飼い主さんに話を聞いた。
【動画カット】14匹の保護猫が解き放たれる瞬間は「圧巻!」…あれ? いつも通り出たが、何かがおかしい…
■目の見えない猫“ちったん”の散歩が広げた命の縁
――目の見えない猫“ちったん”をきっかけに猫を保護し始めたそうですが、保護を始めた理由をお聞かせください。
「元々、私たち夫婦はそれぞれの実家で幼少期から保護猫と一緒に暮らしている家庭で生まれ育っているので、夫婦2人で暮らしていた時から助けが必要な猫が目の前に現れたら運命やと思って迎え入れようと話していました。しばらくして両目が潰れて目が見えていない猫が私の目の前に現れたので保護して、一緒に暮らし始めました。それがインスタのアカウント名である私たち夫婦での初めての保護猫ちったんとの出会いでした。そのちったんの存在が、保護猫大家族になるきっかけになりました」
――どのようにして大家族を築いていかれたのでしょうか。
「ちったんは外が大好きで当時は脱走しようと何度も試みて家を破壊する勢いで暴れていました(笑)。外に行けないストレスが大きかったため、ちったんのストレス解消のために毎日ハーネスをつけて飼い主と一緒にお散歩に行くのが欠かせない日課でした。いつものお散歩コースで明らかに捨てられた可能性が高い猫たち、(地域の餌やりさん情報により) 今にも産まれそうなパンパンのお腹を抱えている妊婦猫や痩せ細ったボロボロの猫など、ちったんとのお散歩中に助けが必要な猫たちとのさまざまな出会いがあり、家に迎え入れることで大家族になりました」
■自由すぎてカオス? “解き放たれた”猫たちの世界
――SNSでは「解き放たれよ」と庭に出ていく猫ちゃんたちの動画が人気です。特 に反響を集めていたのが、みんなで外に出ようと見せかけて、ふたを開けると茶トラの猫一匹だけが出ていく…というパターン。なぜこのような様子が撮影できたのか、当時の状況や性格も含めて教えてください。
「他の猫たちが続かなかった理由は、正直わかりません(笑)。 茶トラの“ぽち”は普段から後先考えずに勢いで突っ走るような性格で、その結果失敗するタイプです(笑)。みんなも一緒に出ると信じて疑わずに飛び出して冷静になった時に「え?」ってなったのかなと想像してます(笑)」
――解放中の様子で、飼い主さんが「ここが面白い!」「ここが好き!」と思うポイントがあれば教えてください。
「我が家では解放の瞬間を "解き放たれよ"と名付けていますが 特にその瞬間をいつも楽しみにして下さってるフォロワーさんがたくさんいらっしゃいます(笑)。雨の日以外、季節問わず毎日解き放たれていますがその日や季節によって猫たちのテンションが1匹1匹違うところも見どころかなと思います。あとは家の中での過ごし方と違って虫を追いかけたり、草をむさぼる顔、テンションが上がってみんなにちょっかいを出しまくる子、鳥を眺める真剣な顔や独特な首の動きなど、家の中とは違う顔が見られるところが飼い主的に楽しいです!」
――みんなで草を食べている姿も可愛いですが、お外が好きな子・苦手な子など、解放時間の過ごし方に違いはありますか?
「お外が特に好きな子は黒猫の“くまこ“です。みんな満足したらそれぞれ家の中に戻ったりしますが”くまこ“はだいたい暑い日も寒い日も最後までずっと飽きずに外にいます。逆に外にあまり興味ない子は三毛猫のコミと白猫のぴーゆず(姉弟)ふたりはコミ8kg、ぴーゆず9kgの巨猫なので とにかく腰が重い(笑)。運動もあまり得意ではなく、好奇心もあまりなく、のんびり温厚マイペースタイプなので解放時に眠たければ自分の睡眠を優先します(笑)」
■多頭飼育の現実と覚悟「世界中の猫、動物が人間の優しさを知って幸せになってほしい」
――保護猫の大家族は大変なことも多いと思いますが、複数飼いをするにあたって、特に「これは大変だな」と感じることはありますか?
「ご飯やトイレ掃除など日頃のお世話は、飼い主にとって当たり前のルーティンになっているので改めて大変と思う事はないですが、これだけ沢山猫がいると1匹1匹の体調管理が特に大変だと感じます。例えば飼い主が見ていない時に、トイレに軟便や血尿があったり、吐いていたり、誰が体調を崩しているのかを特定しなければなりません。できるだけ病気は早期に気付いてあげたいので、毎日1匹1匹に配膳をする際に、ご飯を食べた量や食欲の有無、表情や行動、仕草に違和感はないか、おしっこは出ているかなどをチェックしながら生活しています。病気が何匹も重なった時は、仕事の合間をみつけて毎日病院通いをした事もあり、家でもお薬や点滴などのケアをしながら休む暇なく精神もすり減ります。多頭飼いは決してラクではないです」
――逆に、大家族だからこそ幸せなポイントがあれば教えてください。
「大家族だからこその幸せは、やっぱり家族・仲間が沢山いるから常に遊び相手もいるし寂しい思いをしない。あと、大家族だからというのは関係ないですが、我が家の大家族はそれぞれに、さまざまな過去があり、きっと辛い経験や怖い思いも沢山してきていると思います。毎日ご飯や水を探して彷徨い、安心できる寝床もない中、必死にその日その日を一生懸命生きていたのだろうと思うと、今は安心できる居場所があり、ご飯をお腹いっぱい食べて、お腹出して無防備に眠っている姿、家族や仲間たちと平和に暮らしている、ただそれだけで幸せを感じます」
――一緒に暮らす14匹の猫ちゃんは、先住猫のちったんが引き合わせた出会いです。ちったんは23年に虹の橋を渡ったとのことですが、猫ちゃんたちとの暮らしのなかで、ちったんの存在をどういう時に感じますか?
「ちったんは破天荒で我が道を行く絶対的ボスで、関わった猫たちはみんな彼にしばかれて育ちました。飼い主よりも格上で、助けられた猫たちも「ちったんの家に住まわせてもらっている」という認識だったように思います。旅立ったあとは群れのパワーバランスが崩れ喧嘩も増えましたが、その存在の大きさに改めて気付かされました。今では日常の中でちったんが家を守ってくれていると感じ、猫たちと共にどんな困難も乗り越えられるような心の支えになっています」
――今後、ちったん。さんが猫ちゃんたちに願うこと、そしてすべての動物たちに対する思いがあれば教えてください。
「暑さ寒さ、雨風をしのげる安全な居場所。お腹いっぱい食べて、ふかふかのベッドで眠る。我が家の猫たちにとって、それが当たり前の日常になりましたが、まだまだたくさんの猫たち、動物たちが過酷な生活をしています。世界中の猫たち、動物たちが人間の優しさを知り、幸せと思えるような日常を送れる事が特別な事ではなく当たり前の世の中になる事を願っています」
ORICON NEWS(提供:オリコン)
関連リンク
【動画あり】軽トラもひとっ飛び! ボーダーコリーBiSくんの華麗な跳躍
【動画あり】何ともいえない表情が人間みたい…お風呂タイムで「大御所」感が増したワンちゃん
【写真】クルミのようにコロコロ…リスの赤ちゃんたち「たくましく育てあげました」
【動画】吸い寄せられるようにゴールデンの腕枕に直行する4歳児の二度寝ルーティン
【動画カット】普段はこんなにモフモフなんです…お風呂前のちろるちゃん「虚無モードとのギャップがすごい」
カテゴリ
その他
記事URL
https://www.oricon.co.jp/news/2407446/full/?anc=323