天海祐希×田中哲司:インタビュー
エンタメNEWS2025年12月26日8:30 AM
劇場版『緊急取調室 THE FINAL』真壁有希子役の天海祐希(右)と梶山勝利役の田中哲司(撮影:島田香)(C)ORICON NewS inc.
「可視化設備の整った特別取調室」という“密室の戦場”で、銃も武器も持たない生身の人間同士の心理戦を描き、人間の本質に迫ってきたテレビ朝日のドラマ『緊急取調室』。2014年の放送開始から12年。シリーズはついに、劇場版『緊急取調室 THE FINAL』(12月26日公開)で幕を下ろす。
【画像】キントリメンバー(天海祐希・田中哲司・小日向文世・でんでん・塚地武雅)
天海祐希演じる叩き上げの取調官・真壁有希子と、田中哲司演じる管理官・梶山勝利。二人が率いる「緊急事案対応取調班(キントリ)」が挑む最後の事件は、現職の総理大臣を取調べるという前代未聞の事案だった。シリーズを支え続けてきた二人が、その覚悟と12年の歩みを語る。
――今作で対峙する総理大臣・長内洋次郎(石丸幹二)という人物を、どう受け止めましたか?
【田中】石丸さん演じる総理はとにかく“つかみどころがない”人物でした。一見すると悪い人には見えない。でも、どこかで何かを考えていそうで、どこから切り込めばいいのか分からない。そのつかめなさが、手強さであり、同時に面白さでもありました。
【天海】そう。清廉潔白に見えて、いわゆる“悪”があるようには見えないんです。「そもそも悪があるのか?」ということ自体が、キントリの中でも議論になるほどでした。総理の中にも、彼なりの正義がある。その正義と、真壁たちの正義がぶつかる。その揺れが、とても人間的で面白かったですね。
――現職の総理大臣を取調べるという設定は、シリーズの中でも異質なのではないでしょうか。
【田中】どうやったら総理を取調べられるのか。そこに至るまでが一番面白いところだと思います。これまでもクビ覚悟で挑んだ事件はありましたが、今回はレベルが違います(笑)。命をかけるくらいの覚悟がいる。
【天海】警察官として、罪を犯しているのであれば、相手が総理大臣であろうと、誰であろうと見逃すわけにはいきません。ただ一方で、「本当に取調べをするに値するのか」という問いからも逃げられない。“間違っていました、すみません”では済まされないけれど、本人から話を聞かなければ、前に進むこともできない。その葛藤を引き受けて進む。真壁には、その覚悟がありました。
【田中】ある意味、「最後じゃなきゃできなかった事件」だと思います。
――撮影中、“最後”を意識したことはありましたか?
田中:撮影中は、「最後だから」「劇場版だから」と意識していたわけではなく、淡々と、真摯(しんし)に、作品に向き合っていました。
天海:そうですね。ただ、完成したものを観た時は、いろんなことがあったけれど、ここまで来られたんだな、という思いが込み上げました。
――『緊急取調室』が長く愛された理由についてどう思いますか?
【田中】シーズン1の頃は、こんなに長く続くとは思ってもいなかったですからね。
【天海】真壁有希子という強烈な主人公がいて、SITから望んでもいなかった部署に異動になって、最初は被疑者にも、キントリのメンバーにも正面からぶつかっていくことしかできなかった。それで、失敗や衝突もありましたが、キントリのメンバーたちとお互いに信頼を築くことによって、真壁はチームの中でこそ力を発揮する存在に変わっていった。取調室の中だけでなく、外で情報を集めるモツナベの2人がいて、上と交渉する梶山がいて、それぞれの役割が噛み合わないと成立しないドラマになっていったんですよね。そこを視聴者の方にも楽しんでいただけたのかな、と思います。
【田中】シリーズを重ねていくにつれ、より総力戦になっていきましたね。
――キントリの面々(小日向文世=小石川春夫役、でんでん=菱本進役、塚地武雅=玉垣松夫役)や捜査一課のモツナベ(速水もこみち=渡辺鉄次役、鈴木浩介=監物大二郎役)らレギュラーメンバーの阿吽の呼吸というのでしょうか、連携プレーが心地よくて。「この人たちなら任せられる」という信頼が視聴者側にも生まれていたように思います。
【天海】そうですね、役者同士や監督らと話し合ってイヤホンでのやり取りですとか、視線や間合い、取調室内外のタイミング、被疑者に気づかれないサインなど、チームプレーとして積み重ねてきたものもありますね。
――梶山という管理官のことは、どう捉えていますか?
【田中】梶山は幸せ者ですよね、部下がよく働いてくれて(笑)。上層部との駆け引きはありましたけど、部下が自由に捜査できる環境を整えれば、事件を解決してくれるし、結果、自分の手柄にもなる。
――シリーズ誕生から12年という時間を経て、完結を迎えるお気持ちは?
【天海】ドラマが始まった頃は、実際に取調室の可視化が検討されている段階で、現実の一歩先を行っていたと思うのですが、その後、現実の世界でも本格導入が進んだなかで、「可視化設備の整った特別取調室」というものが、もはや「特別」ではなくなった。ドラマとしても劇場版で締めくくることができるのは、本当に幸運なドラマだったと思います。そして、その作品にたずさわることができたことを、心から光栄に思っています。
ORICON NEWS(提供:オリコン)
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