女装を発信する父の想いとは
エンタメNEWS2025年5月19日7:20 AM
女装モデルとしても活動する谷琢磨さん
34歳のときに女性撮影モデルの代役をしたことをきっかけに、47歳の現在でも女装を続けているミュージシャンの谷琢磨さん。「父親ですが、ツインテールで生きています」というコメントとともにXに投稿された娘さんを抱いた写真は204万回表示され、「綺麗なお父さん」「男性でパパさんなのが信じられません」「どう見ても姉妹にしか見えないですね」と多くのコメントが寄せられました。女装をしながらも父親であることを発信する思いやコンプレックスとの向き合い方について、投稿者・谷琢磨さんに話を聞きました。
【写真】女装モデル・谷琢磨さん47歳、驚愕のすっぴん「素材から美少女だった…」
■きっかけは女性撮影モデルの代役「物事を多角的にみる方法を学ぶことができた」
――女装を始めたきっかけについて教えてください。いつ頃から女装に興味を持ち始めたのでしょうか?
【谷琢磨さん】女装を始めて体験したのは34歳のときで、女性撮影モデルの代役としてでした。当日に熱を出してモデルさんが撮影できなくなり、色々と当たったのですが代役が見つからなかったようで、「谷くんなら女性の服も着れるはず!」と連絡が来て引き受けたのがきっかけでした。もともと女装に興味を持っていた訳では無かったのですが、お仕事として役に立てるのならと始めたこの日から、まさか10年以上経った今も女装を続けている未来が待っていたとは当時想像もしていませんでした。
――過去の投稿には、「小さくて女の子に間違われ悲しい思いをしていた少年へ 40年後には胸を張ってラプンツェルになってるよ」というコメントもありました。幼い頃は女の子に間違われることをコンプレックスのように感じていたのでしょうか?
【谷琢磨さん】幼い頃から女の子に間違われることが多く、小さい体がコンプレックスでした。学生になり洋服や靴の「男性用」と表記されているものでは大きくてサイズが合わず、好きな女性ができても「自分なんかが相手にしてもらえるはずがない」と後ろ向きで自信が持てず、心を閉ざしていた時期もありました。女装を始めてから、逆にそれが良いという状況が多々あり、物事を多角的にみる方法を学ぶことができました。
――女装をすることで、好奇の視線を浴びたり、ネガティブな経験をされたことはありましたか?
【谷琢磨さん】心無い言葉や態度を向けられることもありましたが、自分にとって本当にラッキーだったのは、女装のきっかけがお仕事の依頼であり、それを続けられたことです。周りからのネガティブな反応に対し「私はこれを仕事として頑張っています」という現実で相殺することができたため、精神的に辛かった経験は今のところありません。その分しっかりとプロ意識を持って、不快な思いを与えないよう気をつけて日々行動をしています。
■ウエスト58cm・体重44kgでキープ、コルセットをつけ体型管理を徹底
――女装やメイクはどのように学ばれたのでしょうか?
【谷琢磨さん】初めはファンデーションとコンシーラーの違いも分からず、撮影現場でプロのメイクさんたちから習っていました。それから数年かけて自分らしさを自身のメイクで表現できるようになっていきました。その名残りがあり、今でも一般的な日常メイクというよりはステージメイクのような強めの仕上がりでバランスを取っています。
――お風呂に入るとき以外はコルセットを締め、ウエストを58cmで保ち、体重は44kgでキープしていると拝見しました。体型管理はどのようにされていますか?
【谷琢磨さん】体型は、女装を始めた当時に比べ40代になった今では食べた分、お腹も出てしまうため、とても気遣っています。コルセットをしてお腹を締めながらなるべく食事量も減らし、たんぱく質、脂質糖質のバランスも考え摂取しています。それから少し珍しいダイエット法かもしれませんが、なるべく筋肉運動は避けています。筋肉で引き締めた細さは女装には向いていないと個人的に感じているため、脂肪がしっかり残っている柔らかい細さを心がけています。
――谷さんは投稿のコメントでも「どうもお父さんです」と奥さまと2人の娘さんがいることを公表して活動されています。女装をすることが夫や父として過ごす上で困った経験などはありましたか?
【谷琢磨さん】もともとパートナーとは女装する自分を理解してもらっていましたし、子ども2人もまだまだ小さいため、現時点では困った経験はありません。外食するときに2人のママがそれぞれ子どもを連れていると勘違いされ「お会計別にしますか?」と聞かれることも多く、自分が気付かないところで誰かに誤解や迷惑を掛けてしまう状況が起こらないよう「父親です」と意識的に発するようになりました。「素敵なご家庭ですね」と言ってもらえる世の中にとても感謝しています。
■「子どもたちが女装に対して否定的な考えを持つようになったら、女装はやめます」
――お子さまたちはお父さんが女装していることについて、どのように捉えていらっしゃるのでしょうか?
【谷琢磨さん】小学生低学年の今は、まだ「ゆるキャラ」のような感覚で「パパかわいいー!」と言ってくれています。でもこれから思春期を迎え、もし子どもたちが私の女装に対して否定的な考えを持つようになったら、私は女装をやめようと思っています。単に女装否定を受け入れるという意味ではなく、家族みんなでどうしていくべきかを話し合うきっかけになれたらという前向きな気持ちで、また別の新しい表現での自分らしさを見つけたいと思っています。
――「家族に打ち明けられない」など女装をされている方のご相談が谷さんのところに届くことも多いのでしょうか?
【谷琢磨さん】今も昔もたくさんあります。女装で人前に立ち日常を過ごすということはまだまだ世の中では少数派だと思いますので、趣味として打ち明けるより「会社(学校)の会の余興で女装することになったから、一緒に考えてほしい」のように自然と巻き込んで楽しめるところから少しずつ打ち明けると良いのではとお伝えしています。
――谷さんにとって、女装はどのような存在でしょうか?
【谷琢磨さん】私にとって女装とは、自分が嫌いだったコンプレックスも磨き続けることで、誰かにとってはそれが輝いて見えることもあると教えてくれた、ボーナスステージへの鍵です。
――最後に今後の目標について教えてください。
【谷琢磨さん】私が「お父さんである」ということを世界に広め、女装という言葉の持つ印象を少しでも良いものにしてゆけるよう努力したいです。
ORICON NEWS(提供:オリコン)
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