白洲迅・桜井日奈子出演ドラマ『余命3ヶ月のサレ夫』実写化! 脚本家・松下沙彩が語る制作秘話

タレメREPORT- インタビュー2026年4月22日5:00 PM

テレビ朝日のドラマラボから誕生した金曜ナイトドラマ『余命3ヶ月のサレ夫』は、人気漫画を原作に復習劇とヒューマンドラマを融合させた話題作。メイン脚本を担当した松下沙彩が、白洲迅や桜井日奈子らのキャストに感じる魅力や未経験から脚本家を目指した異色の経歴、そして制作の裏側の秘密を語った。

――『余命3ヶ月のサレ夫』をドラマ化するにあたったいきさつを教えてください。

プロデューサーが、テレビ朝日のシナリオコンクールの受賞者を対象に企画の勉強会(ドラマラボ)を開催されていて、その中から選ばれた4人のメンバー(テレビ朝日ライターズラボ)で取り組むことになったのがきっかけでした。

――ドラマのタイトルが、強いパワーワードが並んでいて衝撃でした。原作を読まれた感想を教えてください。

最近、復讐ものやアンモラル系が人気で、さらに「余命」まで付いてコンボできたなという感じでした。「これは大変なことになっている」と思い読み進めてみると、思ったよりヒューマンドラマがそれぞれの登場人物にあるお話でした。その部分をドラマで膨らませられたらなと思いました。

――原作がある作品で、気を付けたところはありましたか?

生身の人間が演じるので、映像で観て不快にならないラインを意識しました。原作をどうしても少しずつ変えなくてはならないのですが、読後感は一緒になるように目指して書きました。大事なところは変えない、各キャラクターの魅力はブレずに保ちたいと思っていました。

――具体的には何話を担当されたのでしょうか?

全8話のうち5話です。チームライティングをしていたので、自分の担当回以外でもお互い一緒に考えながら、最終的なチェックは自分に任せていただく流れでした。

――原作を膨らませたシーンはありますか?

ラストの7〜8話は原作にないところを加えたので、ドラマのオリジナル要素が強いと思います。

――キャストの方も次々に発表されました。キャスティングを伺っての感想はありますか?

みなさんぴったりでした! 特に葵は「実写化して誰が演じたら成立するんだろう」というバランスの難しい役だと思っていましたが、白洲さんと伺って、「確かに白洲さんしかいない!」と納得のハマり役だと思いました。

――対してヒロインの桜井日奈子さんに対してはいかがでしょう?

今までの桜井さんのパブリックイメージでかわいい感じがいいなと思いました。だからこそ、実は裏がある……という今回の二面性が描かれる役にぴったりだなと。演じる上では桜井さんの意外性にも繋がるので、「そっちの桜井さんも観たいな」と思い楽しみです。

――人物設定の部分で掘り下げた箇所はありますか?

登場人物全員のプロフィールを掘り下げる作業をしました。漫画ではサラっと触れてるだけの人物もいたので、詳細に経歴を作りライティングチームみんなで膨らませて共有しました。例えば、原作にある「建築士」といったヒントを元に、「きっと大学院まで出ているよね?」とか「建築士の中でもどういったタイプだろうか」など話し合いました。

――出来上がった人物設定を振り返って、個人的に興味がある人物はいましたか?

美月です。原作を読んだとき、美月がなぜこんな性格になったんだろうと疑問を持ちながら読み進めていたんです。もっと美月について知りたいなと思う余地があったので、膨らませて肉付けしていきました。

――白洲さん演じる葵が主人公で物語は進みます。男性が主人公の場合、松下さんは脚本家としての目線は変わりますか?

男性でも女性でも、どのキャラクターも全員に「わかる」と感じるポイントがあり、感情移入できるように努めました。「葵のこういうところがわかる」というものあるし、美月はひどい性格と思われますが、根底に流れている気持ちは主婦なら理解できるのではないかな、と。

――悩んだシーンはありますか?

原作にないシーンを作るときは、キャラクターがブレないように、リアクションはこれで正解なのかずいぶん話し合いました。

――実際、撮影現場には見学に行かれましたか?

今度、初めて現場に伺うので楽しみです。特に美月の裏の顔が出るシーンは個人的にも楽しみにしているシーンの一つです。豹変っぷりに期待しています。

――松下さんはシナリオコンテストの出身でいらっしゃいます。最初に脚本のお仕事を意識された原点は何でしょう?

実は脚本の仕事を始めたのが比較的最近なんです。大学時代や新卒の会社員時代はまったく関係ないことをしていました。アニメにハマったのをきっかけに背景美術に興味を持ちパンフレットを取り寄せたところ、後ろの方にたまたまシナリオの講座も載っていて、やはりそっちにしようと調べてすぐに入学しました。講義で先生の話を聞いて、面白そうだなとどんどん興味を持ち好きになりましたね。

――初めて脚本を学んでみて、発見はありましたか?

そもそも脚本のフォーマットを知らなかったので、すべてが発見でしたね。ルールも知らないし、「小説と何が違うの?」というところからスタートしたんです。なので、人生で最初に出したプロットは「これはエッセイだね」と先生に指摘されました。基本がなっていなかったので、「これをどうしたら脚本にできるか勉強していきましょう」と言われてやる気になりました。脚本って小説じゃないので、どちらかというと修飾語や比喩を削ぎ落としていくので、文豪のような文才がなくても書けるのがおもしろく感じました。

――逆に観察力が必要なお仕事では?

そうですね。書いている時間より、何かを調べている時間の方が長いです。今はYouTubeなどで仕事場への潜入動画とかあるので、ネットである程度理解することができます。もうちょっと知りたいと思うと実際に取材を行いますが。

――職業として脚本家をされて、日常に出てしまう脚本家癖みたいなものはありますか?

ただの視聴者だったのが、もう戻れなくなりましたね……。アニメを観ていても、前は「カッコいい!」「面白い!」と思っていたのが、「なんでこれを思いつけなかったんだろう」と悔しくなったりもします。あと、映画館にいてもメモ帳を取り出したくなりますね。

――作品を集中して楽しめない(笑)。

そうなんです(苦笑)。映画を観て「この構成は!?」と思っても、暗くてメモを取れないですし、映画館から配信になるまで何ヵ月もかかるので、記憶してメモを取るために何度も映画館に通うしかないという。作品を純粋に楽しむことに関しては後戻りができなくなりましたね。

 

――逆にこういう作品を手掛けたいという欲もできてきたのでは?

はい。アニメはずっとやりたいと思っています。まだ今はアニメ作品の脚本を経験していないので、若干、視聴者気分で楽しめています(笑)。

――今回は癖のあるキャラクターが多い作品ですが、自分の普段からの観察視点で役に立った部分はありますか?

何の経験でも役に立っていると感じます。会社員もしていたので、働く側の気持ちや会社内でのやり取りを想像できるし、一方で子育てもしている主婦なので、美月の考えも理解はできます。

――リベンジ系のドラマで何か参考になった作品はありますか?

あまりリベンジ系の作品を観ない派だったのですが、この作品のためにいろいろ観ました。『私の夫と結婚して』の日本版や、韓国ドラマの『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜』や、ほか韓国の復讐ドラマは何作か観ましたね。

――いかがでしたか?

これだけ人気があるのは、何か視聴者に引っかかる中毒性があるのだろうなと自分なりに研究しました。どう最初に視聴者に対してストレスを積み上げるのかが大事だと学びました。書き手としては、最初にヘイトを溜めなければいけないのが辛いと感じますが、そこが甘いと最後にスカっとしないので、心を鬼にして挑もうと思います。

――今作にも前半部分に松下さんのトラップがあるのですね?

あると思います。後半はスカッとするのはもちろんですが、人間臭さやヒューマンドラマも感じていただけるように考えて書き進めています!

テレビ朝日・金曜ナイトドラマ「余命3ヶ月のサレ夫」


・2026年4月24日(金)スタート

・毎週金曜11:15~

公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/yomeisareo/

<プロフィール>

松下沙彩(マツシタサアヤ)
1984年6月25日  北海道出身

広告代理店でプランナーとして10年以上勤務後、プランナー・リサーチ業務や子育て・日本茶関連のメディアでライター業を開始。
2022年よりシナリオスクールで脚本を学び、翌年にエントリーした「第23回テレビ朝日新人シナリオ大賞」にてオリジナル脚本「スプリング!」が大賞を受賞。
青春・恋愛作品や、リサーチ力を活かせるお仕事モノの脚本執筆に定評がある。

取材・文/山木なぎ子
撮影/日本タレント名鑑編集部

 

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