ハロプロの人気アイドルを続々生み出す“研修生” 恒例「実力診断テスト」から今年も逸材が輩出

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タレメREPORT2020年8月4日10:22 AM

モーニング娘。らを擁するハロー!プロジェクトの研修生による毎年恒例のイベント「実力診断テスト」が先月末に行われました。これはハロプロ研修生たちが、日頃のレッスンの成果をステージで発表する年に一度の催しで、ここで好成績をおさめハロプロのグループのメンバーとしてデビューした研修生も少なくありません。そんなハロプロ研修生について、そして公開実力診断テストについて紹介します。

 
■真野恵里菜さん、和田彩花さんらも輩出 “実力派アイドル”の素が築かれる「ハロプロ研修生」

 

ハロプロ研修生はもともと「ハロプロエッグ」の名称で2004年に始動しました。当初は、和田彩花さんらのちにスマイレージ(現・アンジュルム)としてデビューするメンバー、現在は女優として活躍する真野恵里菜さんらが在籍していました。そして2011年に「ハロプロ研修生」と名称を変更し、現在に至ります。ハロプロエッグが誕生して以降は、イレギュラーでモーニング娘。などグループ単位のオーディションもあるものの、基本「エッグ」「研修生」から新人を発掘しています。現在はモーニング娘。’20、およびハロー!プロジェクト全体のリーダーである譜久村聖さんをはじめ、研修生出身のメンバーが大多数を占めています。2016年からは「北海道 研修生」も始動しています。

 

ハロー!プロジェクトは、数あるアイドルグループの中でも、特にそのパフォーマンス力の高さに定評がありますが、その素は研修生時代の厳しいレッスンにあると言われます。ここでダンス、歌を中心にみっちりスキルをたたき込まれます。特に、ハロプロ結成当時から総合プロデュースを担当していた、つんく♂さんの「リズム重視」「16ビートの感覚をつかむ」といった、その“イズム”は今も継承されているようです。

 

また研修生のみによる発表会公演もライブ形式で定期的に実施されるほか、頭角を表してきた人は、ハロプロの先輩グループのツアーに同行しバックダンサーを経験するなど大きなステージでダンスをするチャンスも得られます。これらの実戦の場を経験できることでスキル的にも精神面でも成長できることも、ハロプロ研修生の大きな強みといえるでしょう。

 

■研修生が年に一度成果を発表する「実力診断テスト」 今年は初のオンライン開催に

 

その研修生の実力診断テストは「春の公開実力診断テスト」として2013年にスタート。在籍する研修生たちが一人ずつステージに登場し、歌とダンスを、事務所スタッフ、レッスン講師、ハロプロの先輩らの前で披露します。このイベントは例年ゴールデンウィークに中野サンプラザにて公開で行われてきました。ハロプログループのコンサート同様の盛り上がりを見せ、チケットを入手するのが困難なほど、ファンの間では人気のイベントになっています。

 

ですが、今年は新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、ゴールデンウィークの中野サンプラザでの実施は不可能に。そして「夏の公開実力診断テスト」と名称を改め、オンライン配信の形で行われました。今年は18人の研修生が審査に挑みました。

 

今年は、特にハロプロ研修生の活動をクローズアップするテレビ番組『ハロドリ。』(テレビ東京ほか)が4月に始まり、今回の診断テストにかける思いやそこに向けての努力の様子も描かれたので、これまで以上に各研修生の思いが視聴者に届いた状態での開催となりました。

 

大舞台でみんな緊張感は隠せない様子でしたが、それぞれしっかりとした歌とダンスでアピールしました。この催しでは、ステージで披露する歌や衣装はすべて研修生自身が決め、そのセルフプロデュース力も審査の対象となります。

 

選曲は個性的で、近年のハロプログループの楽曲のみならず、20年以上の歴史を誇るハロー!プロジェクトということで、その研修生が生まれる前や生まれたばかりの頃の曲を選曲している人も。

 

またステージ衣装では、初期の頃は私服のコーディネートでアピールする人が多かったですが、近年はがっつりのアイドル衣装を作り込んで参加する人が目立ちます。中には本人や家族による手作りなのかもという、気合いが入った衣装も見られます。今年も色とりどりの本格的なアイドル衣装で視聴者を楽しませてくれました。

 

■“1位”に選ばれた石栗奏美さん 今後ハロプロからのデビューに期待

 

実力診断テストの結果は審査員により「歌唱賞」「ダンス賞」といった入賞者が選出されるほか、グランプリにあたる「ベストパフォーマンス賞」は観客の投票によって決まります。この実力診断テストで好成績をおさめ、デビューのチャンスをつかんでいる人もいます。

 

ですが、この実力診断テストでは、入賞者にはハロプロメンバーとしてのデビューが確約されているわけではなく、基本的には一つのイベントとして完結しています。

 

実際に2013年の第1回でベストパフォーマンス賞に輝いた田辺奈菜美さんは、当時研修生の中でも次代のハロプロのエースになりうる存在として注目されていましたが、結局デビューには至らず、のちに研修生からも去っています。また2014年の第2回でベストパフォーマンス賞に輝いた段原瑠々さんもそこからデビューに至るまで約3年を要しています。

 

ですが近年の公開実力診断テストでは、2017年に2度目のベストパフォーマンス賞に輝いた段原さんがその直後にJuice=Juiceのメンバーとしてデビューしたほか、2018年のベストパフォーマンス賞の島倉りかさんをはじめ入賞者3人が翌年BEYOOOOONDSのメンバーとしてデビュー。また2019年のベストパフォーマンス賞の松永里愛さんと、ダンス賞の工藤由愛さんが直後にJuice=Juiceのメンバーとしてデビューしています。そのことから近年「デビューへの登竜門」の色が強くなっています。

 

だからこそ、より研修生たちのテストにかける思いは強くなっています。今回18人の中から見事ベストパフォーマンス賞に選ばれたのは石栗奏美さん(16歳)。モーニング娘。の『リゾナントブルー』を力強い歌声とダイナミックなダンスで披露、3年連続で入賞者となりました。発表の瞬間、思わずガッツポーズを見せたのも印象的でした。石栗さんは、昨年研修生の選抜メンバーで結成されたユニットにも選ばれており、ライブ経験も豊富。そんな石栗さんは今後なんらかの形でデビューする可能性は高いと思われます。

 

ただ、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、ハロプロの各グループの楽曲リリースの間隔が以前より空いているほか、ライブも完全な形では行われていないので、少し時間がかかるかもしれませんが、未来のハロプロスターの巣立ちを今から楽しみに待ちたいと思います。

文/田中裕幸

 

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