ミュージックシーンを席巻する声優アーティスト!その成功の秘訣とは!?【パート1】

#アーティスト#ユニット#アイドル#ミュージック#スタイル

タレメREPORT2015年6月6日10:55 AM

『NARUTO -ナルト-』の日向ヒナタ役や 『ハートキャッチプリキュア!』のキュアブロッサム役などで知られる水樹奈々がNHK紅白歌合戦に6年連続で出場し、宮野真守茅原実里田村ゆかりといった人気声優が“音楽の聖地”と呼ばれる日本武道館で単独ライブをおこなうなど、もはや声優の歌手活動は当たり前どころか、日本の音楽シーンを賑わす一大ムーブメントとなっている。

男性ユニットによって作られた歌手活動のスタイル

声優の歌手活動についてあらためて振り返ってみると、古くは70年代後半に結成された野島昭生、曽我部和恭、古川登志夫、古谷徹らのバンドユニット「スラップスティック」が人気を博したり、アイドルから声優へと転向した日高のり子(注・高は「はしご高」)、アニメ系イベントでのコスプレで素人時代からアイドル的な人気を誇っていた川村万梨阿らが現在で言う“アイドル声優”的な活動をしていたりと、70年代から80年代にかけて歌手活動の基盤自体は出来上がっていた。

「スラップスティック」や日高、川村といったアイドル的な人気を誇る声優により声優という存在がクローズアップされていくのと同時に、アニメ雑誌の創刊ラッシュやコミックマーケットの盛り上がりなどが重なり、いわゆる“オタク文化”が花開く頃、声優の歌手活動も一つの転機を迎えることとなる。

1985年に放送されたロボットアニメ『超獣機神ダンクーガ』は、制作側がメインターゲットと考えていたキッズ層向け商品の売り上げが振るわず、打ち切りとなってしまったものの、アニメファン層からの圧倒的な支持を受け、出演声優の矢尾一樹、山本百合子、中原茂、塩沢兼人による音楽ユニット「獣戦機隊」のライブが開催されるなど、作品に紐付いた声優ユニットによる歌手活動というスタイルを作り上げた。

1988年放送の『鎧伝サムライトルーパー』では、女性アニメファンが『キャプテン翼』や『聖闘士星矢』といった美少年が活躍するアニメの出演声優に注目する中、演技力とルックスを兼ね備えた出演声優5人が声優ユニット「NG5」を結成したことで、『超獣機神ダンクーガ』と同様にキッズ層向け商品の売り上げこそ振るわなかったものの、女性アニメファンの圧倒的な支持を集めることとなった。

この「NG5」は男性アイドル声優ブームの火付け役的な存在となり、ライブや握手会なども開催され、テレビのニュース番組でも取り上げられるほどの社会現象を巻き起こすこととなる。

「NG5」の成功は男性声優の歌手活動における方向性を決定づけることとなり、90年代に入っても『SLAM DUNK』や『新機動戦記ガンダムW』などの人気作の出演声優が注目された。出演作のキャラクター人気と比例する形で、アイドル活動をおこなう一環として、キャラクターソングや自身のオリジナルソングで歌手活動をおこなう文化が確立されたといえる。
(ミュージックシーンを席巻する声優アーティスト!その成功の秘訣とは!?【パート2】に続きます。)

ミュージックシーンを席巻する声優アーティスト!その成功の秘訣とは!?【パート2】

文/東藤七瀬

 

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